第20回 「情報システム・モデル取引・契約書(受託開発(一部企画を含む)、保守・運用)〈第一版〉」(7) | ScanNetSecurity
2024.04.25(木)

第20回 「情報システム・モデル取引・契約書(受託開発(一部企画を含む)、保守・運用)〈第一版〉」(7)

17 「情報システム・モデル取引・契約書」確定版の発表

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17 「情報システム・モデル取引・契約書」確定版の発表

 07年4月13日、経済産業省は、「情報システム・モデル取引・契約書(受託開発(一部企画を含む)、保守・運用)〈第一版〉」の最終報告書を発表しました。
今回以後、最終報告書に記載された「情報システム・モデル取引・契約書」を基に、ご説明いたします。


18 地方公共団体における実例(その1)

ソフトウェア開発委託契約は業務委託契約の一類型ですので、地方公共団体などにおいて、ソフトウェアの開発委託を発注する場合は、一般的な業務委託契約を使用することが少なくありません。地方公共団体が発注する業務委託契約で重要な契約には、公共事業等の土木・建設関係の設計業務があります。地方公共団体がソフトウェアの開発委託を発注するということは、広い意味で、公共事業の発注ということになり、地方公共団体の標準的な業務委託契約が用いられています。

さいたま市の業務委託契約基準約款において、業務委託契約において成果物にかかる著作権に関する条項は以下のとおりです。

(総則)
第1条 委託者(以下「甲」という。)及び受託者(以下「乙」という。)は、契約書記載の業務の委託契約に関し、契約書に定めるもののほか、この約款に基づき、設計図書(別冊の図面、仕様書、現場説明書及び現場説明に対する質問回答書等を含む。以下同じ。)に従い、日本国の法令を遵守し、この契約を履行しなければならない。
(中略)

(著作権の譲渡等)
第17条 乙は、成果物(中略)が著作権法(昭和45年法律第48号)第2条第1項第1号に規定する著作物(以下本条において「著作物」という。)に該当する場合には、原則として、当該著作物に係る乙の著作権(著作権法第21条から第28条までに規定する権利をいう。)を当該著作物の引渡し時に甲に無償で譲渡する。

2 甲は、成果物が著作物に該当するとしないとにかかわらず、当該成果物の内容を乙の承諾なく自由に公表することができ、また、当該成果物が著作物に該当する場合には、乙が承諾したときに限り、既に乙が当該著作物に表示した氏名を変更することができる。

3 乙は、成果物が著作物に該当する場合において、甲が当該著作物の利用目的の実現のためにその内容を改変しようとするときは、その改変に同意する。また、甲は、成果物が著作物に該当しない場合には、当該成果物の内容を乙の承諾なく自由に改変することができる。

4 乙は、成果物(業務を行う上で得られた記録等を含む。)が著作物に該当するとしいとにかかわらず、甲が承諾した場合には、当該成果物を使用又は複製し、また、第15の規定にかかわらず当該成果物の内容を公表することができる。

5 甲は、乙が成果物の作成に当たって開発したプログラム(著作権法第10条第1項第9号に規定するプログラムの著作物をいう。)及びデータベース(著作権法第12条の2に規定するデータベースの著作物をいう。)について、乙が承諾した場合には、別に定めるところにより、当該プログラム及びデータベースを利用することができる。

すなわち、成果物の著作権の譲渡等については、下記のとおりです…


執筆:弁護士・弁理士 日野修男 ( nobuo.hino@nifty.com )
   日野法律特許事務所 ( http://hino.moon.ne.jp/ )


──
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全文はScan Security Management本誌をご覧ください。

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《ScanNetSecurity》

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