渡邊氏(以下、F-Secure): 「SaaS(Software as a Service)」という言葉を最近よく見かけるが、フィンランド本社が発行するF-Secureの会社概要には、「Security as a Service」というスローガンが2002年から印刷されていた。F-Secureは、早い時期からサービスモデルに取り組んでおり、ISPやキャリア向けに多数の販売実績を持つ。2006年に調査会社の仏 Dataxisが実施した調査結果によれば、ヨーロッパでのISP経由でのサービス形態のセキュリティ市場で、F-secureは34%のシェアを持っている。
個人向けサービスは「F-Secure Protection Service for Consumer」と呼ばれ、エンドユーザーはふだん自分が使うISPのサイトからアンチウイルスソフトをダウンロードし利用する。たとえば、仏Wanadoo社が提供する、「SecuritooAntivirus Firewall」のように、ソフトの名称やGUIを、ISPのブランドに合わせて完全にカスタマイズすることができる点が特徴だ。
「F-Secure Protection Service for Consumer」では、課金はISPとユーザーの契約に基づいて行われ、ISPはユーザー情報と課金情報を管理し、ソフトウェアのシリアルキーを提供する。F-Secureでは、パターンファイルの更新やテクニカルサポートを従来通り行う。
一方法人向けサービスである「F-Secure Protection Service for Business」は、課金がISPとユーザーの契約に基づいて行われ、ISPがユーザー情報と課金情報を管理、シリアルキーを提供し、F-Secureがパターンファイルの更新やテクニカルサポートを行う点は同じだが、「for Business」では企業内管理者がWebページから各端末を集中管理できる点が異なる。