前回は法令の入手方法やその読み方について簡単に解説した。今回はより具体的に、「知的財産」を取り上げ、著作権に関連する裁判例を見ていきたい。まず「知的財産」とは具体的に何なのかを知っておこう。知的財産基本法(平成十四年十二月四日)第二条によれば以下のとおりである。・発明、考案、植物の新品種、意匠、著作物その他の人間の創造的活動により生み出されるもの(発見又は解明がされた自然の法則又は現象であって、産業上の利用可能性があるものを含む)・商標、商号その他事業活動に用いられる商品又は役務を表示するもの・営業秘密その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報こうした財産に関して法律が定めた権利が「知的財産権」ということになる。ここでいう法律には、特許権、実用新案権、育成者権、意匠権、著作権、商標権、その他のものがある。これが法律の言うところの「知的財産」である。では、企業の情報システム担当者にとって身近な問題である、ソフトウェアの不正コピー問題を例に、知的財産権にかかわる問題を考えていこう。●ソフトウェアの不正コピー問題大手企業の社員のデスクにはたいていパソコンが設置されており、業務に必要なソフトウェアが稼働しているだろう。ここでしっかり押さえておかなければならない問題が「ソフトウェアの不正コピー防止」である。何故なら、明らかに著作権法に違反するからだ。「LEC判決」と呼ばれるソフトウェアの不正コピーに対する訴訟と、その判決をご存じだろうか。各種資格試験予備校として大手の株式会社、東京リーガルマインド(以下LECと略す)が、米マイクロソフト、米アドビシステムズ、米アップルコンピュータの3社から提訴されたものだ。訴状のよると、LECでは社内のソフトウェア管理部門において、上記3社のソフトウェアを組織的に不正コピーし、教材作成などの業務に使用していたという。【執筆:大阪市立大学大学院 創造都市研究科 柳原秀基】── この記事には続きがあります。 全文はScan Security Management本誌をご覧ください。◎有料版Scan申込> http://www.ns-research.jp/cgi-bin/ct/p.cgi?m02_ssm