公認不正検査士(CFE)が誕生した国・アメリカでは、現在、CFEの資格はどのように認知されているのだろうか。そのことに触れる前に、まず「公認不正調査士協会(The Association of Certified Fraud Examiners 略称:ACFE)が創立された経緯について紹介しておこう。ACFEの創立者は、公認会計士でありながらFBIでホワイトカラー犯罪の摘発に当たった経歴を誇るJoseph Wells(ジョセフ・ウェルズ)氏である。公認会計士としての知識とスキルを持ってすれば企業の財務諸表における「数字の不自然さ」を見抜き、問題や犯罪の可能性を指摘することは可能である。しかし実際にホワイトカラー犯罪があったか否かを検証するには、担当者と面談し、周囲の関係者に聞き込みをし、事実関係を深堀りしながら固めていく必要がある。