情報セキュリティマメジメントシステム(以下、ISMS)の第三者認証制度は、国内独自制度として、(財)日本情報処理開発協会(以下JIPDEC)の「ISMS適合性評価制度」が2002年から本格運用されてきた。グローバル規格としては「BS7799-2」が有名だが、2005年10月に「ISO/IEC27001」が誕生し、いよいよISMSもISO化された。JISQ27001が発行されるのも今月(2006年4月)だ。実は日本独自規格だったISMSは、ISO化された規格への一本化にあたり、規格の中身だけでなく、制度そのものも大きく変わりつつある。そこで、「ISMS審査員」は前編と後編の2回に分け、前編では資格そのものに重点を置き、後編ではISO27001審査員に向けた動きを解説する。●ISMSの適合性を評価するISMS審査員とその種類>>ISMS適合性評価制度http://www.isms.jipdec.jp/ISMS審査員とは、JIPDECの「ISMS適合性評価制度」により、評価の申請があった組織・企業を審査する資格である。これには経験等により3区分される。(区分以外の場所で「ISMS審査員」という場合、3つを含めている)どれも初回登録から3年ごとに更新しなければならない。1.ISMS審査員補主任審査員の始動・助言の下、補助者としての審査実務を行う。[登録要件]情報技術分野で4年以上、情報セキュリティ関連分野で2年以上の実務経験があるか、もしくはシステム監査等の資格に合格していることが前提となる。JIPDEC認定のISMS審査員研修コースを修了し、その試験の合格が必須。[更新要件]審査業務に関する教育研修を20時間以上受講。2.ISMS審査員審査実施計画を具体的な業務分担にまで詳細化し、実際に審査を行い、審査結果をまとめる。また、主任審査員の助言の下、審査チームリーダを担当できる。[登録要件]審査員補の要件に加え、3年以内に最低4回、延べ20日間の審査に参加と、主任審査員2名からの推薦。[更新要件]審査員補の要件に加え、直近の審査員登録有効期限内に最低3回以上の審査実施。3.ISMS主任審査員審査計画を立案し、審査チームの業務分担を明らかにする。また、審査チームリーダとして審査過程全般を統括し、自らの責任において審査報告書を作成・提出する。[登録要件]審査員の要件に加え、直近の2年以内に最低3回延べ15日間の審査チームリーダを務めている。[更新要件]審査員の要件に加え、直近の審査員登録有効期限内に最低3回以上の審査チームリーダとして審査を実施。【執筆:株式会社アイドゥ 大沼孝次・井上きよみ http://www.eyedo.jp】── この記事には続きがあります。 全文はScan Security Management本誌をご覧ください。◎有料版Scan申込> http://www.ns-research.jp/cgi-bin/ct/p.cgi?m02_ssm