2006年に発生した、価格.comのWeb改ざん事件では、改ざんされたページにオンラインRPG「リネージュ」のユーザー情報を取得するトロイが仕掛けられました。オンラインRPG世界に存在する、武器や防具などのアイテムを不正に手に入れ、RMTと呼ばれる現金取引で売り払うことが目的であったと言われています。オンラインゲームは、急速に成長する一方で、不正行為や、ユーザー同士のトラブルの発生などの問題も抱えています。総務省が2006年2月23日に発表した「不正アクセス行為の発生状況」によれば、不正アクセスの動機の第3位として、オンラインゲームで不正操作を行うことが挙げられています。こうした状況をふまえ、Scan編集部は、MMORPG(多人数同時プレイ型オンラインRPG)に特に注目し、オンラインゲームに造詣が深く、現役業界人でもある木林卓司氏に業界関係者の立場からの特別寄稿を依頼しました。●オンラインゲームにおける代表的な不正行為とは〜チートの分類「MMORPGのセキュリティ」と、まぁ難しい表題で書き出している訳だが、取り上げる内容としてはプレイしているユーザーなら一度ならずと聞いた事ばかりだと思う。ただ今回は、側面しか見えていない「不正行為」をユーザーと運営サイド、両者の立場から書きたいと思う。まずネットゲームユーザーに「不正行為で連想する物は?」と問いかけると十中八九「チート行為」と返ってくるだろう。チート行為というのは所謂ゲームの不正改造やゲームのバグを不正利用して、他のプレイヤーより有利にゲームを進める行為の事を指す。チートの手段としては主に二種類に分類できる、自力派とツール派だ。 ◆木林 卓司 1976年2月24日 滋賀県生まれ 専門学校在学中に劇団に所属。中退後、ゲーム販売店のバイヤーを勤める。 その後、開発会社へ転職。デザイナー・ディレクター・広報・営業を経て ネットゲーム業界へ。趣味は利き酒──(この記事には続きがあります。続きはScan本誌をご覧ください)http://www.ns-research.jp/cgi-bin/ct/p.cgi?m-sc_netsec