今年に入って2月には、バンク・オブ・アメリカが、また5月にタイム・ワーナー社が極秘情報の入ったバックアップテープを紛失した。さらに7月にも、City National Bankで同様の事件があった。
City National Bankはロサンゼルスのビバリーヒルズに本社を持つ、カリフォルニア州では最大の金融機関のひとつだ。「ハイエンド」な顧客、つまり比較的富裕層や有名人を顧客とする金融機関で、2000年にはサンフランシスコのパシフィック・バンクを買収。米国全体で52ヵ所の支店、140億ドルの資産を持つ。
情報漏洩の被害にあった顧客に対する通知ではCity National Bankは「顧客へのサービス充実のために外部のコンピュータ企業を利用している」と説明している。しかし、このコンピュータ企業の1つが4月にバックアップテープを倉庫へ送付中、紛失した。今年あった他の紛失事件同様に「情報が不正に使用された形跡はない」と漏洩の被害者にひとまず安心を呼びかけながらも、念のため通知することで、万一、事故がある場合の早期発見を目指している。