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2018.04.20(金)

トロイの木馬?インサイダー?依然として経緯、原因が公表されない米カード情報流出事件

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6月17日に明らかになった、CardSystems Solutionsからの大規模情報漏洩事件。依然として、いかにして犯人が情報を手に入れたかなどの詳細は発表されていない。しかしながら、様々なメディアやセキュリティ専門家が侵入の経路を予測しているので、考えられる経路を見てみよう。

●ハッカー説は否定しない?

ロサンゼルスのテレビ局、KcalではFBIのスポークスパーソン、デブ・マッカーリーが「侵入がインターネットを用いたハッキングの結果であるという確認は行わない」と、ハッカーの犯行を否定とも肯定するとも取れるコメントを行っていることを伝えている。とりあえずは「ハッカー説の肯定はしない」という姿勢のようだ。

CardSystemsは 加盟店にターミナルを提供し、1日に数百万件という取引を処理し、カード所有者の氏名やカード番号、セキュリティなどの情報を金融機関へと取り次ぐカード処理会社だ。ウェブベースのターミナルも利用している。『New York Times』でAuriemma Consulting Group のエドワード・ローレンス取締役は「通常、カード処理会社はウェブサイトを持ち、加盟店が毎日の売り上げなどを調べることができるようになっている」と加盟店と処理会社の仕組みを説明した上で、「ハッカーが何らかの方法で、ファイヤーウォールを攻撃してウェブサイトに侵入。プログラミングシステムに侵入したのではないか」と予測する。

6月17日、マスターカードが事件を初めて明るみにした際、ウィルスのようなプログラムを何者かがCardSystemsのネットワークにインストールしたと話していた。これはスパイウェアを仄めかしていたとも考えられる。考えられる筋書きとしては、犯人がCardSystemsの従業員の1人に、何らかのe-mailを送付する。最近ではターゲットをしぼった攻撃が報告されているが、少し調べればCardSystemsの取引先の名前はわかる。取引先を装ったe-mailで件名も業務に関係あるようなものにする。受信した従業員が取引先からのe-mailと考え、ファイルにアクセスする、あるいはリンクをクリックするとスパイウェアがインストールされてしまう。

それとも案外、もっと単純で、しかしながら、従業員が興味を示すような記事のリンクだったかもしれない。細かい経緯はともかく、従業員がスパイウェアを仕掛けられたe-mailを開いてしまい、キーロガーなどがインストールされたとしよう。そこからネットワークに侵入するためのパスワードなどを不正に取得して、重要情報を盗み出したというのが1つの説だ。

いや、単純に内部犯の犯行だったという可能性もある。実際、「従業員の犯行は考えられるか」というAP通信の質問にもCardSystemsは答えていないのだ。

●不要な、しかし重要な情報を規則に反して保管

マスターカードのジョシュ・ペイレツ副社長によると、CardSystemsが不適切に保持していたデータにはカードに記入されているセキュリティコード(CVV2)と呼ばれる3〜4桁の数字を含む場合もあったという話だ。CVV2は通常の店頭などでのカード使用では不要だが、オンラインでショッピングをしたり、電話で買い物をしてカードを使用するときに、本人確認のために使う。セキュリティ確保のために利用するコードだ。

米調査会社大手、ガートナーのリタン・アナリストは「カード処理会社がセキュリティコードを保存しておく理由はない」とCardSystemsの処置に疑問を持つ。「おそらく単に怠慢だったか、それともルールを知らなかったかということだろう」

しかし、処理会社が保持しておく理由のない情報であっても、セキュリティコード付きのクレジットカード情報は、コードなしのものと比較して、ブラックマーケットでの価値が上がる。怠慢や知らなかったでは済ませられない。

【執筆:バンクーバー新報 西川桂子】

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この記事には続きがあります。
全文はScan Security Management本誌をご覧ください。
http://www.ns-research.jp/cgi-bin/ct/p.cgi?ssm01_ssmd
《ScanNetSecurity》

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