特定電子メール適正化法改正 ■第3回■ | ScanNetSecurity
2024.04.21(日)

特定電子メール適正化法改正 ■第3回■

 〜迷惑メールの規制を強化した「改正特定電子メール法」が成立
  半年後の施行を控え、その改正点の詳細について正しい理解を〜

特集 特集
 〜迷惑メールの規制を強化した「改正特定電子メール法」が成立
  半年後の施行を控え、その改正点の詳細について正しい理解を〜

社会問題ともなっている迷惑メールの送信に関する罰則規定などが強化された改正特定電子メール法「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律の一部を改正する法律案」が、2005年5月13日、参議院で全会一致で可決され成立した。5月20日に公布され、公布後半年以内、つまり、今秋までには施行されることになる。社団法人日本インターネットプロバイダー協会では、改正特定電子メール法の成立を受け、その内容の理解を深めるための勉強会を開催した。何がどう変わったのか、EC事業者が電子メールを利用する際の新たな注意点はどこにあるのか? 詳細を報告する。


●広告・宣伝メールで送信者情報を偽るのは最も悪質
 それ以外の内容のメールであれば間接罰に

今回の改正特定電子メール法での大きな改正点は、従来の「間接罰」式ではなく、「直罰」式がとられたことにある。そのことは前回のレポートでも触れた。「直罰」とは、「基準を遵守しない者に対して、改善命令などを経ることなく、『直ちに罰則をかけること』」。従来であれば、特定電子メール法の違反者に対しては、総務省からの改善命令や行政指導などが下された後に、それにも従わない場合にのみ刑事罰が科せられていた。ところが、改正特定電子メール法により、違反者に対しては、ダイレクトに刑事罰が下されることとなるのだ。罰則規定が強化され「厳罰化」されたことが大きな特長なのである。

具体的には、罰則規定は第三十二条で「第六条の規定に違反した者」と「第七条の規定による命令に違反した者」に対して刑事罰が科せられることになった。このうち第六条については前回のレポートでも解説したとおり、広告や宣伝に利用される特定電子メールについて「送信者情報を偽ってはいけない」というものである。それでは、広告や宣伝メールではない迷惑メールに対しては、どのような規定があるのだろうか。それについては、第七条では以下のように記されている。

 第七条 総務大臣は送信者が一時に多数の者に対してする特定電子メールの送信その他の電子メールの送信につき、第三条若しくは第四条の規定を遵守していない認める場合又は架空電子メールアドレスをそのあて先とする電子メール若しくは送信者情報を偽った電子メールの送信をしたと認める場合において〜〜(以下、略)。

つまり、広告や宣伝メールで送信者情報を偽って大量に送りつける行為は「極めて悪質」である。総務省の総合情報通基盤局事業政策課・課長補佐の景山忠史氏によれば「そういった違反者は第六条で直罰によって厳罰を科す」ことになる。その一方で、広告や宣伝メールでない場合にも当然、何かしらの規制を設けておく必要がある。そういった内容の迷惑メールについて、第七条で規定されているのだ。改正特定電子メール法によれば、そういった迷惑メールに対して「総務大臣が」、「電子メールの送信の方法の改善に関し必要な措置をとるべきことを命ずることができる」となっている。つまり、その命令にも従わない場合には、刑事罰が科せられるのである。「間接罰」である。

【執筆:下玉利 尚明】

──
この記事には続きがあります。
全文はScan Security Management本誌をご覧ください。
http://www.ns-research.jp/cgi-bin/ct/p.cgi?ssm01_ssmd
《ScanNetSecurity》

Scan PREMIUM 会員限定記事

もっと見る

Scan PREMIUM 会員限定記事特集をもっと見る

カテゴリ別新着記事

「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」
「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」

ページ右上「ユーザー登録」から会員登録すれば会員限定記事を閲覧できます。毎週月曜の朝、先週一週間のセキュリティ動向を総括しふりかえるメルマガをお届け。(写真:ScanNetSecurity 名誉編集長 りく)

×