埼玉県が都道府県で全国初のISMS認証取得、短期取得のコツを探る■第1回■ | ScanNetSecurity
2024.03.28(木)

埼玉県が都道府県で全国初のISMS認証取得、短期取得のコツを探る■第1回■

●決意から1年足らずでISMS認証取得

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●決意から1年足らずでISMS認証取得

2005年3月25日、埼玉県住民基本台帳ネットワークシステム(以下「住基ネット」と略)は、情報セキュリティマネジメントシステムの国内標準規格である「ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)適合性評価制度」の認証を取得(以下「ISMS認証取得」と略)した。地方自治体では千葉県市川市、東京都杉並区、三鷹市が取得済みだが、都道府県としては全国初となる。また、同時に世界標準ともいえる英国規格「BS7799-2:2002」も取得した。

実は、埼玉県がISMS認証取得を決意したのは、ほんの1年前の2004年5月。それから1年にも満たない間にそれを成し遂げてしまったのである。まさに驚異的といえる速さだ。

  ■認証取得までの経緯
   2004年 5月 6日  :知事報告、認証取得方針決定
     〜10月末日  :諸規定類の整備・見直し、技術的脆弱性検査実施
      11月 1日  :ISMS運用開始
      12月 2日  :内部監査実施
      12月15日  :予備審査
   2005年 1月20日  :住基ネットセキュリティ会議開催
       1月27〜28日:ISMS一次審査(書類審査)
       2月 8日  :知事トップインタビュー
       3月3〜4日 :ISMS二次審査(実地審査)
       3月25日  :認証取得

>>詳細
http://www.pref.saitama.lg.jp/A02/BO00/juki-net/get_isms.html

そうでなくとも自治体は、条例や議会といった「縛り」があり、この点だけでも民間企業とは全く異なる。さらに縦割り組織の弊害なども、一般的にはよく叫ばれている。

そのような中、どうやって、これだけのハイペースで認証取得に至ることができたのかを、埼玉県総合政策部市町村課住基ネット担当の佐々木卓氏、平井毅氏、総務部IT企画課セキュリティ担当の小室武晴氏の3氏からうかがった。

●新知事の就任がすべての始まり

埼玉県では2003年8月の知事選により、上田・新知事が誕生した。上田知事は選挙時のマニフェストで、住基ネットに関し「廃止を含め、徹底的な見直しを行う」としていた。が、法律を含めた制度として成り立っている住基ネットを廃止するのは、県の対応として適当ではないとのことで、それならば一層のセキュリティ向上を図ることにした。それは2003年11月に発表された、「あらゆる行政分野に安心・安全を貫く」という知事マニフェストを具現化するための県行政の取り組みを示す「新生埼玉計画」( http://www.pref.saitama.lg.jp/A02/BY00/AP/newborn.html )に明記されている。

「やるからにはきちんと県民に説明できるものにしたい」との知事の意向に沿うものとして提案されたのが、第三者である専門の審査登録機関によって審査されるISMS適合性評価制度だった。知事はこの提案を早速受け、そして、冒頭に書いた2004年5月、認証取得に向けての取り組みが開始されることとなった。

予算的には、住基ネットのセキュリティ強化のために、1,100万円が2004年度の予算特別枠の中で計上された。知事の方針という理由で、県の財政当局もすんなりとそれを通したのである。多くの自治体では、予算確保が最初の大きな難関となるのだが、埼玉県ではこうしたいきさつによって、あっさりクリアされた。これは、非常に重要なポイントである。

【執筆:株式会社アイドゥ 井上きよみ http://www.eyedo.jp】

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この記事には続きがあります。
全文はScan Security Management本誌をご覧ください。
http://www.ns-research.jp/cgi-bin/ct/p.cgi?ssm01_ssmd
《ScanNetSecurity》

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