利用者から見た電子自治体、電子政府(25) 〜海外の事例 | ScanNetSecurity[国内最大級のサイバーセキュリティ専門ポータルサイト]
2017.12.16(土)

利用者から見た電子自治体、電子政府(25) 〜海外の事例

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●情報発信が力を持つとき

 海外の事例はたくさんあり、カナダのようにPKI先進国の事例を具体的に書けば面白いが分量も膨大になる。また、日本では住基カードの普及がまだまだの状態だ。そこで、今の日本に役立つ情報をまずは紹介したい。

 最初はまず、情報が力をもち、政府がそれをインターネット上で公開する事例だ。情報が力をもつという実感は日本ではまだ希薄である。企業の不祥事において、経営者の不注意な一言で会社がつぶれた事例があるにもかかわらずである。また、政府、国民を通じて危機感はまだあまりないように感じる。年金未納者が440万人超えても( http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20050221i114.htm )政府、国民ともに、あまり危機感があるような気がしない。もちろん、もう少しすると状況は変わってくるだろう。

 アメリカ合衆国は、もともと情報に関してはその価値を認めてきていた。政府が集めた情報に関しても、情報公開法を制定して、要求があれば誰にでも見せる義務があるようになっている。情報公開法は、FOIA(freedom of information act)と略される。

 どの情報公開に人気があるかというと、FBI(アメリカ連邦警察)のページ( http://foia.fbi.gov/ )である。FBIが人気というのは、論文( http://web.sfc.keio.ac.jp/~taiyo/980614/980614paper.html )にも指摘されているように機密事項だからでもある。政府が関連する重大事件に関して、きっちりと情報を公開している。過去に重大な事件があったときに、それがどうして起こったのかを詳細に追求することも可能である。ただ、実際に人気がある情報は、ロズウェル事件(UFO)の情報だったりする( http://foia.fbi.gov/foiaindex/foiaindex_u.htm )。UFO関係で1600ページもある。もちろんこれらは過去の情報である。

 これまで述べたように、情報の価値には変化が起こっている。過去の情報より今の情報、そして、未来の情報が重要になっているのである。単なる過去の情報はだんだんと価値がなくなってくるだろう。しかし、過去の情報も網羅的にしっかりとまとめられているならば、昔と同じ過ちを犯さないための材料として、未来への情報になる。ただ、このFBIのサイトの情報は機密情報で重要な情報にもかかわらず、電子署名がなされていないのものがかなりある。アメリカでも電子署名の普及はまだまだなのだろうか?


●電子申告、電子納税

 まず電子申告を見てみよう。日本の電子申告は素晴らしいシステムであるが難しい。情報処理学会の方でも難しかった。一般の人が電子申告するのはよほどモチベーションがなければ無理だろう。また、税金の申告はかなり難しい過程なので、先端国のように思われているアメリカ合衆国でも、単純な場合に使われている( http://www.pij-web.net/comjap/pdf/1.pdf )。簡単にいえば、所得税の還付などである。どんな感じで行われるかというと、無料サービス( http://www.irs.gov/app/freeFile/jsp/index.jsp? )を使いましょうと堂々とIRSで宣伝されている。

 その中の一つを見てみよう。eSmartTax( http://www.esmarttax.com/free2005.asp )である。無料でないサービスもしっかりあり、ビジネス的にも、無料サービスの部分の提供をすることによる宣伝効果は十分にもとがとれているのだろう。また、Verisign、Trust-eのマークがあり、セキュリティと個人情報保護はばっちりというのをページでアピールしている。

 こういったものを見ると、日本とはかなり雰囲気が違うと感じてしまう。日本の国税局のホームページの中にインターネット無料のサービスへのリンクが大量に貼られているページなど存在できないだろう。

 それから、電子申告が普及しているというオーストラリアのe-taxのページ( http://www.ato.gov.au/individuals/content.asp?doc=/content/39979.htm )を見てみても、還付がうたい文句である。日本のe-taxには還付のことはほとんど出てこない。現状の日本の電子申告システムは、かなり使い勝手が悪いのだから、使ってみようと思わせるようにして欲しいものである。


【執筆:武井明】

(この記事には続きがあります。続きはScan本誌をご覧ください)
http://www.ns-research.jp/cgi-bin/ct/p.cgi?m-sc_netsec
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