利用者から見た電子自治体、電子政府(21)〜受付システム(意見集約) | ScanNetSecurity
2024.04.24(水)

利用者から見た電子自治体、電子政府(21)〜受付システム(意見集約)

●意見集約 自治体、政府が意見を求め始めている

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●意見集約 自治体、政府が意見を求め始めている

 まず、自治体、政府は住民、国民からパブリック・コメントで( http://www.soumu.go.jp/gyoukan/kanri/a_07.htm )広く情報を集めている。『パブリック・コメント手続とは、行政機関が政策の立案等を行おうとする際にその案を公表し、この案に対して広く国民・事業者等の皆さんから意見や情報を提出していただく機会を設け、行政機関は、提出された意見等を考慮して最終的な意思決定を行うというものです。』である。一般的にパブリックコメントは、専門的な内容になり、一般の国民が気軽に意見を政府に伝えるためのものではない。

 もう少し身近なところでは、小泉内閣メールマガジンが意見を聞いている( http://www.kantei.go.jp/jp/forms/dokusha.html )。インターネット上から簡単に意見を直接内閣に送ることができる。
 一方私企業は、顧客の意見を聞くのが重要だというが、意見や問い合わせの窓口はわかりにくい場合がかなりある。また、顧客に対して流す情報は、企業にとって都合のよい情報ばかりで、商品の欠陥情報など都合の悪いトラブル情報はできるだけ伝えないようにしている。ホームページに関していえば、不正侵入があっても、そのことをはっきりした形で、ホームページ上で公表しなかったりしている( https://www.netsecurity.ne.jp/9/1398.html )。

 企業にとって顧客が重要と言われているわりには、どうも顧客からの意見も集めておらず、また顧客への情報開示も不徹底であることが多いようである。その結果が企業に大きなダメージを与えたことは、雪印事件で多くの企業は知っているはずにも関わらず、企業の不祥事は続いている。そういった企業の状況に比べると、自治体、政府は広く意見を集めるという点では、ずっと進んでいるように見える。

 最近、注目に値するのは、独立行政法人 経済産業研究所のe-Life Blog(ブログ)である( http://www.rieti.go.jp/it/elife/notice.html )。説明には、『「e-Life Blog」は、経済産業省商務情報政策局と、独立行政法人経済産業研究所(RIETI)が共同で実施する、ウェブログ技術を用いた産業界及び有識者、一般ユーザとの対話実験です。』とある。ブログは、一種の日記形式の掲示板である。誰でもコメントを書くこともできるし、自分のサイトに関連する記事を書いて、トラックバック機能を使って、コメントを付けるように自分のページへのリンクを張ることができる。誰に何を書かれるかわからないが、結果はトラブルもないようで、また、コメントが爆発的に付くというのでもなかった。

 集まる意見の数では、小泉内閣メールマガジンは、集団が多く、郵政民営化のアンケートは、1万5千を越える回答が集まった( http://www.kantei.go.jp/jp/m-magazine/backnumber/2004/1216.html )。こういった意見は、実際に政策に影響を与えているのだろうか?パブリックコメントを書いた人たちに聞いたところそれなりに影響はあるそうである。現在どのようなパブリックコメントの募集が行われるかは、パブリックコメント・意見募集案内 案件一覧( http://search.e-gov.go.jp/servlet/Pcm1010 )で見ることができる。締め切られたパブリックコメントの資料も載っている。パブリックコメントへの対応は省庁や案件によってまちまちであるが、回答を載せている場合もある( http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=Pcm1010&KID=495040105 )。
パブリックコメントの実際の件数はそれほど多くなく、案件あたり、数十件程度のものが多いようである。この数字では、住民や国民の声を正確に反映している意見とは言い難いだろう。しかし、誰もが意見を述べることができるパブリックコメントは、直接、自治体、政府に住民、国民が意見を述べ、影響力を行使できる意見集約システムになりつつある。


【執筆:武井明】

(この記事には続きがあります。続きはScan本誌をご覧ください)
http://www.ns-research.jp/cgi-bin/ct/p.cgi?m-sc_netsec
《ScanNetSecurity》

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