Marc Ruef 氏:いえ、そんなことはありません。単に脆弱性の有無を確認したいだけなら、とても簡単です。脆弱性チェックの対象を指定して、スタートボタンを押して、チェックが終わったらレポートを読むだけです。 一般の脆弱性だけでなく他のプラグインを追加したり、特殊な環境だったりする場合は、少々知識が必要になります。ただ、普通この手のスキャンを実施するような管理者はネットワークの基礎知識はもっていると思いますので、その範囲で足りると思います。また、何かのスクリプト言語やtelnet程度の知識があればプラグインを作ることも可能です。
Marc Ruef 氏:ええ、WEBアプリケーションのテストの重要性はどんどん大きくなってきていると思います。 ATKでXSSやSQL Injectionのチェックを行うことは簡単です。ATKにはこうしたチェックを生成するためのウィザードがいくつかあるので、これらを使えばあっという間に新しい攻撃を作ることができます。
編集部:ATKの今後の機能について教えてください。
Marc Ruef 氏:私はいつも新しいバージョンのリリースの際にはひとつの明確な目標をたてています。ATK5.0では多くのホストがある環境での利用を想定していました。複数の対象に対して特定のテストを高速で実施することができます。例えば、WEBアプリケーションチェックとか、XSSのチェックを一度に多数のホストに実施するといったことです。
Marc Ruef 氏:すでに基本的なWEBアプリケーションテストはプラグインで可能になっています。私が考えているのは、WEBアプリケーション診断のための独立したモジュールです。「バッファオーバーフロー攻撃」などの他の攻撃手法のためにもこうしたモジュールを考えています。 次のATK6.0ではこれらの機能を実装することができると思っています。
>> 日本語への対応 日本のユーザグループができれば加速する?
編集部:日本語への対応はどうでしょう?
Marc Ruef 氏:複数言語に対応する機能はすでにあります。プラグインを別な言語にするのは簡単ですし、本体そのものを変えるのもそんなに難しくはありません。こうした機能を実装するためには、コミュニティからの協力が不可欠になります。私自身がすべての言語を翻訳できるわけでないですからね。 ATKプロジェクトに対して関心をもってくださる日本の方は多いようです。 日本でユーザグループを始めることは悪くない考えだと思います。特に日本語を実装するということを考えるとそうですね。
Marc Ruef 氏:ATKは使いやすいセキュリティツールです。このツールは多くの人々の協力によってなりたっています。ATKはオープン・ソースプロジェクトなので、多くの人が新しいチェックを公表して参加しています。 私は、毎日成長しているATKのプラグインや私あてのメールをみるたびに幸せな気持ちになります。
《ScanNetSecurity》