とはいえ、中国マーケットでの日本製品、つまり「Made in Japan」のブランド力は、まだまだ高いプレゼンスを維持している。工業製品の販売数も全体的には依然好調で、2004年上半期の自動車販売は、欧米企業や中国企業の販売数が前年を下回る中、日系企業の販売数はほとんどが前年度を上回っている。余談ではあるが、中国のスーパーに行くと、中国製の製品でパッケージや製品名に日本語を使用しているケースを多く見かける。何人かの中国人に聞くと、それにより品質が高そうなイメージが付加されるそうである。この「風評」こそが「日系企 業の製品」のブランド力の一つの大きな側面であろう。
従って、「made in Japan」ブランド及び日系製造業のコアコンピタンスは、高度な技術に裏付けられた品質の高さ、サービス、生産性の高さであり、これを確実に守り、また、より強力なものにしていくことは、日系企業が欧米企業、韓国・台湾などのアジア企業、中国企業といったライバルとの競争に勝ち、生き残っていくための重要な要素であると考えられる。