中国における営業秘密管理(1) | ScanNetSecurity[国内最大級のサイバーセキュリティ専門ポータルサイト]
2017.12.17(日)

中国における営業秘密管理(1)

特集 特集

─ 目次 ──────────────────
 -前編(今回掲載)-
1.「日本経済の中国経済への依存の高まり」
2.「中国マーケットでの競争」
3.「競争に勝ち抜くために」
4.「知的財産と知的財産権」
5.「知的財産戦略大綱における知的財産の保護」
──────────────────────

 日本企業は、「モノづくり」に強みを持ち、生産性が高く、サービスの品質が高いことで、現在まで国際競争を勝ち抜いてきた。これらの強みは多くの場合、ノウハウや情報(営業秘密)で構成されている。世界最大のマーケットである中国で更なる競争に勝ち抜くためには、攻めるだけでなく、これらの強みによるアイデンティティを守ることにも戦略的に取り組まなければならない。この攻守のバランスをどのようにとっていくのか、どのようにノウハウや情報を守っていくべきか、中国におけるリスク・マネジメントの重要な要素の1つである営業秘密保護について考察する。


1.「日本経済の中国経済への依存の高まり」

 中国は「世界の工場」と呼ばれて久しく、豊富な労働力と安い人件費を求めて、世界中から多くの企業が進出してきている。それらの企業進出は、近年の中国の経済発展を支え、同時に、中国というマーケットの価値を向上していった。そして13億という人口に支えられる潜在力を持つマーケットは、今や「中国特需」という言葉を生み、日本経済を「不景気」という言葉から開放しようとしている。実際、統計によれば、昨年の日本の総輸出増加分2兆4533億円のうち、香港を含む中国向け増加分が1兆9382億円であった。つまり昨年の日本の輸出増 加分の約8割を中国向け増加分が占めていることになる。そして、日本の輸出額全体に占める割合も、台湾を含むグレータチャイナ圏の割合は25.1%で、もはや米国の24.6%を抜いている。中国の経済がしばらくこのペースで成長し続けるとすれば、日本経済の中国経済への依存はますます高まるわけで、中国マーケットでの成功は、今や日本企業の必須課題と言えるだろう。


2.「中国マーケットでの競争」

 さて、多くの日系企業は、この中国という魅力的な巨大マーケットにおいて、「生産拠点」だけでなく「販売拠点」を増やし、中国マーケットへの更なる食い込みを図っている。ところが、当然のことながら世界中の企業がこのマーケットに魅力を感じており、それら多くのライバルとの競争に勝ち、生き残っていかなければならない。ライバルは、日系企業、欧米企業、韓国・台湾などのアジア企業に加えて、中国(大陸)企業も増加してきている。日系企業や欧米企業が長年にわたり「技術移転」してきた結果、中国企業の技術力はどんどん向上し、今や中国で生産される洗濯機、カラーテレビ、冷蔵庫のシェアは世界のトップに達したのである。

 とはいえ、中国マーケットでの日本製品、つまり「Made in Japan」のブランド力は、まだまだ高いプレゼンスを維持している。工業製品の販売数も全体的には依然好調で、2004年上半期の自動車販売は、欧米企業や中国企業の販売数が前年を下回る中、日系企業の販売数はほとんどが前年度を上回っている。余談ではあるが、中国のスーパーに行くと、中国製の製品でパッケージや製品名に日本語を使用しているケースを多く見かける。何人かの中国人に聞くと、それにより品質が高そうなイメージが付加されるそうである。この「風評」こそが「日系企 業の製品」のブランド力の一つの大きな側面であろう。

 従って、「made in Japan」ブランド及び日系製造業のコアコンピタンスは、高度な技術に裏付けられた品質の高さ、サービス、生産性の高さであり、これを確実に守り、また、より強力なものにしていくことは、日系企業が欧米企業、韓国・台湾などのアジア企業、中国企業といったライバルとの競争に勝ち、生き残っていくための重要な要素であると考えられる。


監査法人トーマツ(デロイト トウシュ トーマツ 上海事務所)
http://www.tohmatsu.co.jp/

この記事には続きがあります。
全文はScan Security Management本誌をご覧ください。
http://www.ns-research.jp/cgi-bin/ct/p.cgi?ssm01_ssmd
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