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2018.10.18(木)

利用者から見た電子自治体、電子政府(9) 〜e-japan戦略

●e-japan戦略とは、- 初期重点項目 ブローバンド普及は大成功

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●e-japan戦略とは、- 初期重点項目 ブローバンド普及は大成功

 今回は、電子自治体、電子政府の発展の背景になったe-japan戦略の概説である。e-japan戦略そのものは多岐にわたっているので、利用者から見て重要だと思われる点についてごく簡単に触れる。

 IT戦略会議をもとに、平成13年1月22日に下記ではじまる最初のe-japan戦略が打ち出された。
『我が国は、すべての国民が情報通信技術(IT)を積極的に活用し、その恩恵を最大限に享受できる知識創発型社会の実現に向け、早急に革命的かつ現実的な対応を行わなければならない。市場原理に基づき民間が最大限に活力を発揮できる環境を整備し、5年以内に世界最先端のIT国家となることを目指す』( http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/kettei/010122gaiyou.html )。当時、世界から見て日本のIT化は遅れているという危機感からe-japan戦略はつくられた。
 細かい内容をともかく、一番、最初の重点政策だけ見てみよう。

1.超高速ネットワークインフラ整備及び競争政策
2.電子商取引
3.電子政府の実現
4.人材育成の強化

である。今、平成16年(2004)ではどうだろう。『1.超高速ネットワークインフラ整備及び競争政策―5年以内に、少なくとも3000万世帯が高速インターネット網に、また1000万世帯が超高速インターネット網に常時接続可能な環境の整備を目指す』は、すでに前倒しで達成している。実際の普及も進み、DSL普及状況( http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/whatsnew/dsl/index.html )を見ても、2004年10月現在はほぼ1300万回線であり、世界的にも類をみないブロードバンド大国になった。

 日本は、いっきにパソコンで高画質の動画を見ることができる国になった。ネットワークが太くなっても、パソコンの性能が悪いと、動画を見ることはできない。そこで、今、テレビパソコンと言われるパソコンがオリンピック前から市場投入され、量販店の店頭は、テレビもしくは動画を再生するパソコンのデモ機であふれている。もちろん、ブロードバンドの低価格化と普及には、ソフトバンクの低価格ADSLの貢献は大きいだろう。しかし、このe-japan戦略のタイミングで市場投入され、NTTの回線のADSL向け開放が促される時だったのが低価格ADSLの普及成功の大きな要因である。

 また、高度情報通信ネットワーク社会の形成に関する平成16年度政府予算は、総額で1兆4,017億円で、そのうち、世界最高水準の高度情報通信ネットワークの形成の促進は、2436億円である。行政の情報化関連に次ぐ予算配分になっている。ネットワークは、いわば、道路建設に近いもので、まさに政府の役割の範囲内だ。税金をつぎ込むことも正当化されるだろう。そして、企業努力もあったとはいえ政策的にはかなり成功したといえる。さて、残りの電子商取引、電子政府の実現、人材育成の強化などはどうだろうか?

 インターネットが格段に利用しやすい環境になったので、もちろん電子商取引は伸びている。しかし、公的個人認証などの電子商取引の信頼基盤が普及したかというと先に述べたように、それはまだまだである。また、電子自治体、電子政府も、公的個人認証などの電子証明書ベースでの行政サービスのワンストップ化も、あまりすすんでいない。ただ、自治体のホームページがほぼどの自治体もあげており、多くの図書館で蔵書検索ができるようになったという点からは、大きな進歩をしているといえるだろう。

 人材の育成に関しては、教育の現場でのインターネット化が進むはずだったのだがどうなったのだろう。e-japan重点計画2004( http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/kettei/ejapan2004/040615honbun.html )では、教育に関してはあまりふれられてない。教員のスキルの問題や、教材の種類さらには、双方向の授業の難しさなどがあるのかもしれない。今までのべてきたように、情報提供は、システム的にも楽であり、価値ある情報提供も簡単にできるが、双方向の受付システム(利用者からの申込みなど)があるとシステム的にも難しくなり、厳格な本人認証を要求すると格段に使い勝手の悪いシステムになってしまう。現在は、ネットワークという道路づくりは成功したけれども、その上でどのような産業を形成するかはまだこれからという段階にある。


【執筆:武井明】

(この記事には続きがあります。続きはScan本誌をご覧ください)
http://www.ns-research.jp/cgi-bin/ct/p.cgi?m-sc_netsec

《ScanNetSecurity》

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