VPN構築可能なLinux用IPSecツール、FreeS/WAN [1]について、前回はインストール方法についてかなり駆け足で説明した。うまくインストールできたかの、とりあえずの動作確認は、ipsecと入力して、バージョンが表示されるかどうか試したり、あるいはipsec whackとして認証機能である Pluto のステータスを表示させたりして、確かめることができる。 今回からはVPNの構築を念頭においた設定方法について説明しよう。[ネットワーク構成] ここではVPNの図1のような最も単純な接続形態を考える。 イントラネット1 インターネット イントラネット2クライアン──セキュアゲート=======セキュアゲート───クライアン ト1 (C1) ウェイ1 (SG1) ウェイ2 (SG2) ト2 (C2) 図1 VPN構築概念図 図1は、イントラネット1と2はそれぞれ離れたプライベートネットワークであり、そのイントラネット間はインターネット等の外部からアクセス可能なネットワークを一部利用して結ばれているという環境を想定している。このネットワーク環境で、それぞれのセキュアゲートウェイ間をIPSecを用いてトンネリング通信を行い、ここを通過する通信内容を保護し、クライアント間では仮想的に一つのプライベートネットワーク(Virtual Private Network) のように通信できるようにするという構成だ。 このセキュアゲートウェイにFreeS/Wanを用いる方法を考えていく。両方のセキュアゲートウェイにFreeS/Wanを用いるなら、同じような設定ができるので楽だが、IPSecの使えるツールであれば、2つのセキュアゲートウェイに使われているツールが異なっても構わない。 ここで、各マシンのIPアドレスは全て固定のグローバルIPアドレスである場合が最も簡単に理解できるだろう。クライアントとセキュアゲートウェイの間にNATなどが入っていて、セキュアゲートウェイはグローバルアドレスで、クライアントはプライベートアドレスという構成でも設定は全く同じである。(詳しくはScan本誌をご覧ください)http://shop.vagabond.co.jp/m-ssw01.shtml