【無料ツールで作るセキュアな環境】の第41回から前回の第62回まで、SSHに関するツールを紹介してきた。SSHは本来セキュアリモートシェルであるが、そのポート転送機能は、IPトンネリングの一手法と位置づけることができる。今回紹介するzebedee[1]は、SSHのポート転送とはまた異なった特徴を持ち、簡単、軽快、軽量なIPトンネリングツールである。 zebedeeは、1999年よりEric Youngによって開発されているIPトンネリング専用ツールであり、GPLに従って配布されている。 動作環境としては、Windows 95/98/NT/2000/XPおよび POSIX準拠のOSがサポートされている。Windows用にはWin32バイナリが、またLinux用にはrpmパッケージが公式に配布されている。他にもJava環境用のjzbd[2]や、Rubyスクリプト用のrzbd[3]なども開発されており、多様な環境で使用することができる。 本稿執筆時点では version 2.4.0 が最新であり、http://www.winton.org.uk/zebedee/download.htmlからソースをはじめ、Windowsバイナリ、Linux用rpmなどがダウンロードできる。インストールは極めて容易である。Windows版の場合は、ダウンロードしたzbd240setup.exeをダブルクリックなどで起動させ、あとはリターンキーを押し続けてデフォルトの選択をすればよい。 rpmコマンドを利用するのであれば、root権限になって、ダウンロードしたrpmパッケージを置いた作業ディレクトリに入り、次のコマンドを実行する。# rpm -ivh zebedee-2.4.0-1.i586.rpm zebedeeサーバを起動するには、# zebedee -sとするだけでよい。zebedeeは起動してバックグラウンドで作動している。このzebedeeサーバが動いているマシンに、zebedeeがインストールされたクライアントマシンから安全にtelnet接続するためにはまず、次のようにする。$ zebedee サーバのホスト名とする、telnetd以外のサービスに接続したい場合は、そのサービスの使用するポート番号を指定する。$ zebedee サーバのホスト名:ポート番号 このコマンドに対して、サーバはtelnet接続(あるいは、他のサービスのための接続)をするための入り口となる、「ローカル側」のポート番号が表示される。ここで、1234と表示されたら、$ telnet localhost 1234と「ローカル側」、つまりクラインアントマシン自身のport 1234にtelnet接続すると、zebedeeがバックグラウンドで、リモートのtelnetdまで安全に接続してくれる。officeoffice@ukky.nethttp://www.office.ac/(詳しくはScan本誌をご覧ください)http://shop.vagabond.co.jp/m-ssw01.shtml(この連載のバックナンバーは下記でお求めになれます)「無料セキュリティツールで構築するセキュアな環境2」(NmapやSAINTなどのスキャナツールの紹介・解説、SSLの導入方法の紹介)http://www.d-pub.co.jp/cgi-bin/bannou/shop/bookdetail_id.cgi?bookid=aa840「無料セキュリティツールで構築するセキュアな環境」(パーソナルファイアウォールであるZoneAlarmとIDSであるsnortの解説)http://www.d-pub.co.jp/cgi-bin/bannou/shop/bookdetail_id.cgi?bookid=aa644