米国防総省は、一般への寄付が予定される機密指定外の古いコンピュータに対し、今年(2001年)1月に制定されたハードディスクを破壊する規則を撤回する方針を明らかにした。その理由についてPaul Wolfowitz 国防総省副長官は、学校や非営利組織がより多くのコンピュータを利用できるようにするためと説明している。代わりに、コンピュータを寄付をする時にはハードディスクの上書きが義務付けられる予定だ。その方法は、破壊規則が施行された1月以前に何年間にもわたって取られてきた措置だ。国防総省の広報担当によると、ハードディスクの上書きは、消去に比べて情報の復元が困難だという。また、機密指定のコンピュータのハードディスクは従来通り、破壊されると付け加えた。 2000年度予算で、国防総省は7万4000台ものコンピュータ機器を学校に寄付した。機密指定外コンピュータのハードディスク破壊を定めた規則は、セキュリティに関する事件が相次いで発生し、セキュリティへの意識が高まった時期に制定されたものだ。事件の一例を挙げると、CIAの元長官で国防総省の元副長官だったJohn Deutch氏は、誤って機密情報を機密指定外の自宅のコンピュータに保存してしまった。後に、同氏はその行為について謝罪した。政府が調査したところ、同氏のコンピュータに保存された機密情報が攻撃を受けた形跡は認められなかった。