Computer Associates International社のアンチウイルス担当責任者Ian Hameroff氏によると、パレスチナ支持のメッセージをまき散らす新種の電子メールウイルスが確認された。Injusticeと呼ばれるウイルスは、ファイルの破壊などを行う悪質なペイロードを含まないが、実行されるとInternet Explorerを開きパレスチナ支持派の6つのウェブサイトを表示する。さらに、同ウイルスは25のイスラエル政府関連機関のアドレスに電子メールを送信し、ユーザのOutlookアドレス帳に記載されている最初の50名に対し自身の複製を送りつけて増殖する。「このウイルスの出現は、我々が政治ハクティビズムと呼ぶものの一例だ」と同氏は説明した。政治ハクティビズムとは、インターネット上でゲリラ的政治活動を行うことを指す。3月19日、Computer Associates International社のもとには、米国の企業顧客から同ウイルスに関する届出が5件寄せられた。 同ウイルスは件名“injustice”という電子メールの形で届けられる。同メールの添付ファイルを実行すると『心配には及ばない。これは、無害なウイルスだ。パレスチナ人民が彼らの地で平和に暮らせるよう支援することが目的だ』と書かれたメッセージが表示される。添付ファイル名は、injustice.txt.vbsとなっている。 同社では現在、Injusticeウイルスを阻止するためアンチウイルス・ソフトに修正を加えている。