エミュレータ開発会社VMware社は、米国家安全保障局(NSA)の研究者と共同でどんな攻撃にも耐えうるコンピュータを開発すると発表した。その開発が実現すれば、PC内部の仮想保管室に機密データを保存することが可能になる。 情報活動組織の軍事用監視を担当しているNSAは現在、機密データの保管に際しネットワークを物理的に分離する方法をとっている。例えば、最高機密データは、普通の機密指定扱いのデータとは異なるPCに保管されている。しかし時には、職員が必要なデータにアクセスする際、1台の机上にある6つの異なるPCを操作しなければならない状況に陥る。VMware社(本社、カリフォルニア州)の創始者Ed Bugnion氏は「ネットワークを分離するセキュリティ措置は、今のところ役立っているが、そのうち使わなくなるだろう。何故なら、我が社は複数のPCを使用するセキュリティ措置と同レベルのセキュリティを確保するソリューションを持っているからだ」と述べた。 同氏によると、そのソリューション"NetTop"は、職員が使用する1台のPCにLinuxを搭載し、複数の仮想PCが稼動する環境にする。そして、そのセキュリティ・システムは、同じPC内に保管された一般のデータと機密指定されたデータの間に突破不能な仮想壁を構築するというものだ。VMware社はLinuxユーザがLinux上にWindowsや他のOSをインストールし稼動させる仮想マシン技術を持っており、今回の計画にはその技術を拡張したものを使用する予定だ。