情報筋によると、米国防総省は昨年(2000年)の初頭、中国政府機関が作成したスパイ・ハンドブックを入手した。『国防に関する科学、技術情報を入手する方法』と題するそのハンドブックは250ページから成り、中国政府が過去30年間に渡って米国防総省の軍事用機密情報の入手に取り組んでいたことが詳述されている。米国防総省の職員は「同ハンドブックは機密指定されている文書ではないが、中国政府の科学技術の入手経路に関し、新たな見解を示すものだ」と述べた。 同ハンドブックの著者は、スパイ歴30年で現在は北京の科学技術情報センターで講師をしているHuo Zhongwen氏とWang Zongxiao氏だ。同センターは約4000に上る中国の諜報機関から寄せられる科学技術情報の管理を行っている。情報活動は主に米国に滞在している中国系学生やビジネスマン、科学者などが無料で従事しているという。また、情報収集の80%以上は米政府および民間企業が公開している資料に基づくもので、残りの20%は不正手段により収集される。例えば、学会等で科学者と接触したり、また電子盗聴技術や偵察衛星などを使用して情報入手を行っている。同ハンドブックの著書は「風を完全に遮る壁はない、と諺で言われているように、機密情報の漏洩を完全に防ぐことはできない。情報流出の糸口になる状況が無数に存在している」と明言している。 対中国情報活動を担当していた元FBI職員のSmith氏はメディアのインタビューに応え「中国政府のハイテク関連スパイ活動は1978年以降、急速に活発化した。しかし米政府の情報局は、中国の情報活動の脅威を軽視し、結果ロスアラモス国立研究所で発生した中国系研究者Wen Ho Leeによる核兵器機密情報漏洩事件の大惨事を招いた」と述べた。