ワシントンに拠点を置くイスラエル支持のサイトが11月2日、ハッカーの攻撃に遭い機能停止に陥った。今回の攻撃が最近のイスラエル、パレスチナ間で勃発したサイバー戦争の余波なのか、もしくはパキスタン派のハッカーによる仕業なのか真相は未だ不明だ。 攻撃を受けたのは、アメリカ・イスラエル公事委員会(AIPAC)のウェブサイトだ。AIPACの広報担当者によると、ハッカーは同サイトに反イスラエルのメッセージを残し、さらに約200人のクレジットカード情報と約700人に上る会員情報にアクセスした。犯人は“Doctor Nuker”そして“Mr.Sweet”と名乗るハッカーと見られており、今回の攻撃について“Doctor Nuker”は、パレスチナでのイスラエルの行為およびイスラエルを支持する米国への報復措置であると述べた。 犯人と目される二人のハッカーは、“パキスタン・ハッカーズ・クラブ”というグループの運営者だ。同グループはヒンズー教のインドとイスラム教のパキスタンが帰属権を争うカシミール紛争問題で注目されるようになった。過去一年間で80件を上回るサイト攻撃を行い、イスラム教を支持するメッセージを残した。その攻撃対象はテキサス州のラックランド空軍基地から映画“ブレア・ウイッチ・プロジェクト”を製作したHaxan Films社までと多岐に渡っている。 米連邦捜査局の管轄下にある全米インフラ保護センターのサイバー犯罪対策班は、中東情勢に絡む一連のサイバー戦争が欧米にも飛び火する可能性があると警告した。セキュリティ専門家によると、オンライン攻撃により30以上のイスラエル、パレスチナのウェブサイトが機能停止に陥った。