米国の捜査機関とインターポール(国際刑事警察機構)を調整する米国家中央局の責任者Edgar Adamson氏は7月26日下院の諮問委員会で、現在コンピュータ犯罪を取り締まる法律のない国は100以上に上り、急増するコンピュータ犯罪の国際的脅威に立ち向かうには今後、万全なる法体系の整備が必要であると提言した。そして「少なくともインターポールに加盟している6割の国がコンピュータ犯罪に適用される法律を持っていない」と指摘した。インターポールには、現在178ヶ国が加盟している。 Adamson氏は政府管理および情報技術に関する小委員会の証言で、国境を越えて発生するサイバー犯罪に対抗するには、従来よりもさらに密接な国際協力に基づく捜査が必要であると述べた。 コンピュータ犯罪で問題となっているのは、従来の一般的な犯罪、例えば幼児ポルノ、小児性愛、ID窃盗、クレジットカード詐欺、コンピュータ・ウイルスなどが新しいテクノロジーにより広範囲にわたり容易に発生しうる点だ。 米国サイバー警察の指揮を執るFBIのMichael Vatis氏は同諮問委員会で、多くの国でコンピュータ犯罪を有罪にする法律がないといういう事は、捜査の幅を狭めるものだと指摘し、さらに「コンピュータ犯罪を取り締まる法律を持たない国々は時として、国内で起きたコンピュータ犯罪を捜査し起訴する権限がないばかりか、国際的犯罪の証拠がそれらの国々で確認されたとしてもFBIの捜査に協力する権限もない」と述べた。