GMOサイバーセキュリティ byイエラエ株式会社と株式会社Synspectiveは12月8日、「衛星サイバーセキュリティ」に関する共同研究を開始すると発表した。
宇宙産業の拡大と共に、小型衛星の打ち上げや宇宙データの民間活用が急速に拡大する一方で、小型衛星コンステレーションを狙ったサイバー攻撃の対策の必要性が高まっているが、宇宙空間という特殊な環境下でのシステム運用は、従来のITセキュリティとは異なる脅威構造を持つため、専門的な知識と経験に基づいた新たな防御手法の確立が求められている。
今回の共同研究では、Synspectiveが有する小型SAR衛星コンステレーションの開発に関する知見と、GMOサイバーセキュリティ byイエラエが持つサイバーセキュリティの知見を融合させ、小型衛星システムのサイバーセキュリティ対策の向上による安全性強化の実現を目的に、下記の研究を実施する。
・衛星システムにおける想定すべき脅威とリスクの特定(脅威分析の実施)
宇宙環境および衛星機能の特性を踏まえ、衛星における潜在的な脅威を分析し、衛星システムのリスクを特定する。
・衛星システム固有のセキュリティテストの策定と実施(対策手法の検討)
抽出されたリスクに対し、実践的かつ再現性のある対策手法を検討するとともに、その有効性を検証するための評価プロセスやテストシナリオを開発する。また、本研究成果を今後の衛星開発に活用し、宇宙分野におけるサイバーセキュリティ水準の向上と安全で持続可能な宇宙利用の実現に貢献する。
GMOサイバーセキュリティ byイエラエ 執行役員 グローバル戦略部 部長の伊藤公祐氏は「当社のこれまで培ってきたクルマ、IoT、ドローンなどに対する高度なハッキング技術と知見を、衛星システムに適用することで、衛星システム特有の脅威モデルや実践的なテスト手法の確立を目指します。この度の協業は、単なる衛星システムの脆弱性対策に留まらず、安全で持続可能な宇宙利用という未来の安全保障に貢献する、極めて意義深い一歩となると確信しています。」とコメントしている。
