Cloudbase Blog 第7回 CSPM・CNAPP導入時の3つのポイント | ScanNetSecurity
2025.03.24(月)

Cloudbase Blog 第7回 CSPM・CNAPP導入時の3つのポイント

 企業のクラウドセキュリティ対策として注目されているCSPMや、CNAPPは導入だけでは不十分であり、適切に活用するためには事前準備が不可欠です。本記事では、クラウド環境のリスクを最小限に抑え、円滑な事業推進を実現するためのCSPM・CNAPP導入のポイントを解説します。

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 近年、クラウドの利用が加速する一方で、設定ミスや脆弱性などのセキュリティリスクも増加しています。適切にセキュリティを対策しなければ、データ漏洩やシステム障害などのインシデントが発生するリスクが高まります。そのため、企業のクラウドセキュリティ対策として、クラウド上の設定ミスを検知できるCSPM(Cloud Security Posture Management)や、クラウドを包括的に保護するCNAPP(Cloud Native Application Protection Platform)などのサービスが注目されています。

 しかし、これらのサービスは導入だけでは不十分であり、適切に活用するためには事前準備が不可欠です。本記事では、クラウド環境のリスクを最小限に抑え、円滑な事業推進を実現するためのCSPM・CNAPP導入のポイントを解説します。

●CSPM・CNAPP導入時のポイント

 CSPM・CNAPPを導入する前に考慮すべきポイントを3つ取り上げ、それぞれの解決策をご紹介します。

  1. パブリッククラウドの利用状況を正確に把握する

 「どの事業部がどのパブリッククラウドを利用しているのかわからない」「その中のアカウント数まで把握しきれない」といった課題を抱える企業は少なくありません。膨大な社内のクラウド環境を正確に把握するのは難しく、その上クラウドは個人で簡単にアカウントを作成できてしまうため、情報システム部門の承認を得ずに、知らないうちにアカウントが増えているケースもあります。

 このような管理されていないクラウドアカウントは「シャドーIT」と呼ばれ、インシデントの原因となる可能性があります。特に管理されていないクラウド環境は、適切なアクセス制御やログ監視が設定されていないことが多く、外部攻撃の標的になりやすいのです。

<解決策>

 AWSなら「AWS Organizations」、Azureなら「Microsoft Entra ID(旧称:Azure Active Directory)」などのアカウント管理ツールを活用し、全社のアカウントを一元管理するのがおすすめです。CSPM・CNAPPを導入しても、管理外のアカウントからのリスクは検知できないため、まずは全てのクラウド環境を網羅できる仕組みを整えましょう。

未監視アカウントのリスク
  1. 既存システムの負荷を最小限に抑える

 新しいツールを導入する際は、既存システムへの影響を抑えることが重要です。導入後に運用コストが増加したり、既存システムのパフォーマンスが低下したりすると、社内の負荷が増え、顧客体験の低下にもつながりかねません。

<解決策>

 エージェントレスのCSPMやCNAPPを導入することで、既存システムの負荷を抑えながら、クラウド環境のセキュリティを強化できます。

 エージェントとは、サーバーにインストールして監視を行うプログラムですが、常に稼働するため、CPUやメモリへの負荷が発生します。一方、エージェントレスはソフトウェアのインストールが不要で、クラウドのAPIを活用して監視を行うため、導入の手間が少なく、既存システムへの影響も抑えられます。

  1. 社内の運用ルールを策定する

 CSPMやCNAPPを導入しても、リスクを解決できなければ意味がありません。よくあるのが、ツールを導入してリスクを検知できるようになっても、「どのリスクから対応したらいいのかわからない」「誰がどのリスクに対応するかが決まっていない」などの運用課題です。

 継続的にリスクを解決してセキュリティを強化するためには、事前に以下のような運用ルールを策定する必要があります。

  • 準拠するコンプライアンス基準(NICTやCISなど)

  • 対応するセキュリティリスクの基準

  • リスク対応時の社内の役割分担とフロー

<解決策>

 運用ルールの策定には時間とノウハウが必要なため、導入後も運用をサポートしてくれるベンダーを選ぶのが望ましいでしょう。他社の成功事例を参考にしながら、運用体制をブラッシュアップしていくことで、長期的にセキュリティを強化できます。

●Cloudbaseで実現するクラウドセキュリティ

 Cloudbaseは、企業のパブリッククラウド環境のセキュリティリスクを可視化し、誰でも簡単にリスク解決ができるCSPM・CNAPPです。これまでにご紹介した3つのポイントを押さえ、安全なクラウド活用を促進します。

  • マルチクラウド対応

    • AWS・Azure・Google Cloud・Oracle Cloudに対応しており、マルチクラウドを一元管理できます

    • AWS Organizations連携が可能で、全アカウントを管理してリスクを網羅的に検知できます

  • エージェントレス

    • API経由で対象リソースの構成情報を取得するため、既存システムに負担をかけることなく導入できます

    • 導入時はIAMロールに接続するだけで、すぐにスキャンを開始できます

  • 充実したサポート体制

    • 導入後はCloudbaseサポートチームが定例会を実施し、運用ルールの策定や社内周知などの運用面を徹底的にサポートします

    • リスク解決にあたっての技術面のお問い合わせにも、セキュリティの専門家が対応します

    • 詳細なサポート体制は、第5回の記事をご参照ください

      Cloudbaseのサポート体制

●まとめ

 クラウド環境のセキュリティリスクは年々増加しており、その対策としてCSPMやCNAPPの導入が求められています。しかし、単にツールを導入するだけでは不十分であり、クラウド環境の現状把握や適切なルール策定が重要になります。

 本記事が、貴社のクラウドセキュリティ対策を進める際の一助となりましたら幸いです。Cloudbaseにご関心がありましたら、ぜひお問い合わせください。

《Cloudbase株式会社》

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