Proofpoint Blog 39回「2024年第 2 四半期はランサムウェアにつながるメール攻撃が急増」 | ScanNetSecurity
2024.08.06(火)

Proofpoint Blog 39回「2024年第 2 四半期はランサムウェアにつながるメール攻撃が急増」

 プルーフポイントは世界のメールトラフィックのうち 4 分の 1 を監視している世界でも有数のメールセキュリティを提供しています。その大規模なインテリジェンスから、ランサムウェア攻撃につながる脅威メールが増えているのかを探ってみました。

製品・サービス・業界動向
(イメージ画像)
  • (イメージ画像)
  • ランサムウェア攻撃の全体構造
  • ランサムウェアに繋がる不正メールの傾向(グローバル)
  • 続くマイクロソフトの侵害

 最近、ランサムウェアの攻撃が増えていると思う方が多いのではないでしょうか?実際、著名な出版社への攻撃や、1 つのサービスプロバイダーへのランサムウェア攻撃が 100 を超える組織のデータ侵害につながってしまうなど、ニュースの見出しにランサムウェア攻撃を目にすることが多くなりました。

●ランサムウェア攻撃の全体構造

 ランサムウェア攻撃の侵入源は大きく分けて以下のようになります。

1. SSL VPN やソフトウェアの脆弱性
2. RDP(リモート・デスクトップ・プロトコル)
3. 窃取されたパスワード
4. クレデンシャルフィッシングメール
5. フィッシングメール
6. マルウェアつきメール
7. 内部関係者

 日本においては放置された VPN の脆弱性より侵入されたインシデントが多く報告されていますが、実は侵入原因が判明しないインシデントも多くなっています。それはなぜかというと、サイバー犯罪のエコシステムが醸成されたことに起因すると考えています。イニシャル・アクセス・ブローカーと呼ばれる攻撃者が事前に詐欺メールなどで入手したクレデンシャル(ID/パスワード)などアクセスできる権利を他の攻撃グループにアンダーグラウンドで転売します。それを購入した別のグループがランサムウェア攻撃などをおこないます。つまり、実際に侵入の原因となった攻撃と、侵害されたことを把握できる攻撃をおこなう犯人が異なるのです。だいぶ前に侵害された情報を使われたのでは、攻撃を追跡することが困難です。そのため侵入原因を追跡できないインシデントが増えているのです。

●2024 年第 2 四半期のメール脅威は急増

 プルーフポイントは世界のメールトラフィックのうち 4 分の 1 を監視している世界でも有数のメールセキュリティを提供しています。その大規模なインテリジェンスから、ランサムウェア攻撃につながる脅威メールが増えているのかを探ってみました。

 以下は 2022 年の第 1 四半期から 2024 年第 1 四半期にかけてのランサムウェアにつながるメール脅威の量です。ご覧頂いてわかる通り、2022 年初頭から 2024 年第 1 四半期までは、あまり量は変わらず 500 万件前後以下であることが分かります。しかし 2024 年第 2 四半期(4 ~ 6 月)はランサムウェア攻撃につながるメール攻撃の量が大きくスパイクし、その前の期の 4.58 倍に急増していることが分かります。

●マイクロソフトを守るために

 多くの企業が、業務効率化のためにマイクロソフトを利用しています。しかしながら、以下の図に示す通り、マイクロソフトに対する侵害は絶えることがありません。

 このような事態を受けて、米国の国土安全保障省は Cyber Safety Review Board(CSRB)において、Microsoft の「次々に起こるセキュリティ上の欠陥」が壊滅的な侵害を招いており、「Microsoft のセキュリティ文化は十分ではなく、見直しが必要である」との見解を示しています。

 Microsoft 365 E5セキュリティを使用しているにも関わらず、追加でプルーフポイントを利用してセキュリティを強化している Fortune100 の顧客は 83 % にのぼります。さらに Fortune1000 においても、Microsoft 365 E5 を使用している上、さらにプルーフポイントでセキュリティ強化をしている組織は 60 % にのぼります。

 プルーフポイントは、メールの配信前から配信後、また実際にメールの中のリンクや添付ファイルをクリックするタイミングというメールのライフサイクル全体において、継続的な検知と分析をおこない、より高精度な方法で最新のメール脅威を阻止します。

 ガートナーの「Eメールセキュリティ マーケットガイド 2023」においても、Microsoft や Google などの業務コラボレーションツールに対して、サードパーティのセキュリティソリューションで補完することが奨励されていますので、よろしければご参照ください。

《日本プルーフポイント株式会社 チーフエヴァンジェリスト 増田 幸美(そうた ゆきみ)》

編集部おすすめの記事

特集

メールセキュリティ

製品・サービス・業界動向 アクセスランキング

  1. カスペルスキーが Disclose.io 参加、脆弱性リサーチャーに保護を提供

    カスペルスキーが Disclose.io 参加、脆弱性リサーチャーに保護を提供

  2. Proofpoint Blog 39回「2024年第 2 四半期はランサムウェアにつながるメール攻撃が急増」

    Proofpoint Blog 39回「2024年第 2 四半期はランサムウェアにつながるメール攻撃が急増」

  3. ファイアウォールの半分は適切なルール設定されておらず ログ収集されていない ~ セキュアヴェイル 設定診断サービス

    ファイアウォールの半分は適切なルール設定されておらず ログ収集されていない ~ セキュアヴェイル 設定診断サービス

  4. 「漫画村」に関する民事訴訟、17 億 3,664 万 2,277 円の損害賠償金の支払を命じる判決確定

  5. 電話発着信時に企業名を表示 ~ タウンページ情報を特殊詐欺対策アプリに提供

  6. NISC、横断的アタックサーフェスマネジメント事業開始 各府省庁や独立行政法人等の情報システムが対象

  7. 課徴金制度や被害回復制度 ほか ~ 個人情報保護法3年ごと見直し検討会開催

  8. NCA「CSIRT人材の定義と確保」更新、一部大学などに向けたモデルDを追加

  9. NRIセキュア、システムやアプリケーションの認証情報を含むシークレットを安全に管理する「HashiCorp Vault」販売

  10. Yahoo! BBのキャンペーンを騙る詐欺メールに注意

アクセスランキングをもっと見る

「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」
「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」

ページ右上「ユーザー登録」から会員登録すれば会員限定記事を閲覧できます。毎週月曜の朝、先週一週間のセキュリティ動向を総括しふりかえるメルマガをお届け。(写真:ScanNetSecurity 名誉編集長 りく)

×