ゲームハッキングでバンされた青年がバグハンターに、そしてセキュリティ研究者へ ~ キャメロン・ヴィンセント | ScanNetSecurity
2024.04.28(日)

ゲームハッキングでバンされた青年がバグハンターに、そしてセキュリティ研究者へ ~ キャメロン・ヴィンセント

 2018 年、ヴィンセントは伝説級の脆弱性を発見する。G Suiteの組織部門のスーパー管理者権限を奪取できる脆弱性だ。詳細は Google が主催するバグ報奨金プログラムにて報告。ヴィンセントにセキュリティ業界の目が一気に注がれた。

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(イメージ画像)

 夢中になって取り組んできたことが評価され、業界大手がその能力を買ってスカウトしてくる。そんな映画や小説のようなことを経験したのがキャメロン・ヴィンセント(Cameron Vincent)だ。

 ヴィンセントがハッキングに目覚めたのは学生時代。オンラインゲームに熱中する中で、彼はあるときゲームのバグを発見した。全アイテムおよび全マップが最初から開放された状態で遊べるというものだ。

 「きっとみんな喜んでくれる」すばらしいことはそんな利他の心からはじまる。軽い気持ちで、自ら立ち上げたオンラインフォーラムやコミュニティでバグを公開した。結果は言うまでもない。悪質行為と判断されて XBOX Live アカウントの使用停止措置を 3 回も食らうことになる。

 軽率な行動だった。しかし、それはもっと IT の世界を知りたいという貪欲なまでの知識欲があってのこと。その後、ヴィンセントは技術系のオンラインフォーラムや書籍、論文を読み漁り、解説動画や講演動画をくまなくチェックしながら、独学で Web セキュリティを習得。大学卒業後、セキュリティリサーチャーとして独立し、バグ報奨金プログラムで生計を立てる道を歩み始めた。


《谷崎 朋子》

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