サイバーセキュリティ版「天国と地獄」~ サプライヤーへサイバー攻撃、身代金支払いを本体へ請求 | ScanNetSecurity
2024.07.27(土)

サイバーセキュリティ版「天国と地獄」~ サプライヤーへサイバー攻撃、身代金支払いを本体へ請求

 ランサムウェアの犯罪集団LockBit が TSMC のデータを盗んだと主張していることを受け、チップ製造大手の TSMC は、実のところ TSMC ではなく同社の設備サプライヤーのひとつである Kinmax がハッキングされたと述べた。

国際
サイバーセキュリティ版「天国と地獄」~ サプライヤーへサイバー攻撃、身代金支払いを本体へ請求

(編集部註:『天国と地獄』…1963年公開の黒澤明監督の日本映画、神奈川県にある靴製造企業の専務取締役の運転手の息子が誤って誘拐され、専務が身代金を支払うストーリー)

 ランサムウェアの犯罪集団 LockBit が台湾の半導体製造企業 TSMC のデータを盗んだと主張していることを受け、チップ製造大手の TSMC は、実のところ TSMC ではなく同社の設備サプライヤーのひとつである Kinmax がハッキングされたのだと述べた。

 LockBit のウェブサイトによると、犯人グループは TSMC のシステムに侵入することに成功し、7,000 万ドルの身代金が支払われない限り、メーカーの ITネットワークのネットワークログイン認証情報を含め、流出した情報がオンラインに流出するだろうと 6 月 29 日に主張した。

 同犯罪集団の関連組織のひとつである National Hazard Agency は、盗んだとするファイルに関するディレクトリの一覧のスクリーンショットを公開した。犯罪者によると、TSMC に対しては 8 月 6 日が締め切りだという。

 The Register がこの侵入について TSMC に問い合わせたところ、このランサムウェア犯罪集団に侵入されたのは、チップメーカーそのものではなく、サードパーティーのサプライヤーであると TSMC は述べた。Nvidia、AMD、Apple などのチップを製造している台湾の大手企業にとって、盗難の影響のインパクトは控えめなものである。TSMC にとってこの侵入は平凡な出来事とまでは言えないにせよ、工場やプロセッサーの設計図を持ち逃げされたわけではなさそうである。


《The Register》

編集部おすすめの記事

特集

国際 アクセスランキング

  1. レッドチーム演習大成功 丸五か月間誰も気づけず

    レッドチーム演習大成功 丸五か月間誰も気づけず

  2. ランサムウェア集団が謝罪

    ランサムウェア集団が謝罪

  3. [まさか本気でそんなに儲かると思った?]サイバー犯罪者さん 職種別給与一覧 ~ 求人広告22万件調査

    [まさか本気でそんなに儲かると思った?]サイバー犯罪者さん 職種別給与一覧 ~ 求人広告22万件調査

  4. 国際手配のランサム犯 逮捕されずに世界中を旅行

  5. Windows 10ではSafeDiscと特定バージョンのSecuROMのDRMシステムを利用した古いゲームがプレイ不可に、セキュリティホールとなる可能性を考慮

  6. 国連サイバー犯罪条約が「グローバル監視協定」になる危険性

  7. 支払額倍増の場合も ~ オラクルが Fortune 200 へ Java ライセンスに関する監査書送付を開始

  8. 資金力で警察に勝るサイバー犯罪集団とインターポールのプロジェクト

  9. 訃報「伝説のハッカー」ケビン・ミトニック氏 59歳

  10. ウクライナの違法な仮想通貨のマイニング工場を摘発、PS4など3,800台のゲーム機を押収

アクセスランキングをもっと見る

「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」
「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」

ページ右上「ユーザー登録」から会員登録すれば会員限定記事を閲覧できます。毎週月曜の朝、先週一週間のセキュリティ動向を総括しふりかえるメルマガをお届け。(写真:ScanNetSecurity 名誉編集長 りく)

×