セキュリティ技術者を助けるプロトコルドロイド「G-3PO」~ 生成 AI 活用した調査ツール 11 種 | ScanNetSecurity
2024.07.27(土)

セキュリティ技術者を助けるプロトコルドロイド「G-3PO」~ 生成 AI 活用した調査ツール 11 種

 サイバースペースには混乱が渦巻いていた。生成 AI という新たなフォース(力)が誰の手にも届くようになったのだ。

製品・サービス・業界動向
(イメージ画像)

 サイバースペースには混乱が渦巻いている。生成 AI という新たなフォース(力)が誰の手にも届くようになったのだ。

 当然ながらサイバー攻撃者は速やかにこの新技術を取り入れた。フィッシングメールの文章作成を生成 AI に頼ることもできるし、プロンプトインジェクション攻撃で生成 AI やそれを利用するアプリケーションの応答に影響を与えようとしたり、機密情報を得ようとしたりする。悪意のあるプロンプトに応答しないようにする生成 AI 側の対策と、それを回避する攻撃者の手立てが、生成 AI のダークサイドでいたちごっこのように連鎖している。

 一方で、生成 AI のライトサイドに光を当てる者たちもいる。Tenable社は攻撃と防御の両面で生成 AI をどのように使用し得るかを検証し、生成 AI を使用したツールを開発し、積極的に防御に取り入れることでセキュリティ技術者が単純作業はツールに任せ、人間がより高度な作業に集中できるようにした。それらツール群は GitHub のレポジトリを通じて公開されている。

 ここでは、当該ツールの 1 つ「G-3PO」を紹介しながら、そのお役立ち度合について詳らかにする。

 G-3PO はマルウェアのリバースエンジニアリングの際に用いる。人気のリバースエンジニアリングツール Ghidra は、バイナリをアセンブリ言語のリストに分解してから、最終的に Cプログラミング言語のソースコードのように逆コンパイルする。ここからがリバースエンジニアの出番だ。彼らはアセンブリ言語のリストとソースコードを見比べながら分析し、解釈を加える作業を行う。逆コンパイルの過程で発生したエラーを見つけ出し、コードにコメントを加え、変数や関数の名前を意味を成すものに置き換えて可読性を高める。

 このときにエンジニアを支援できるのが、Ghidra や LLM(大規模言語モデル)の話す言語を理解する G-3PO だ。理解できない言語を解するプロトコルドロイドである。


《鳴海まや子(Narumi Mayako)》

編集部おすすめの記事

特集

製品・サービス・業界動向 アクセスランキング

  1. 度を超えたハラスメント行為者 セガ従業員に損害賠償支払い

    度を超えたハラスメント行為者 セガ従業員に損害賠償支払い

  2. マクニカネットワークスが忘れない CrowdStrike 三つのエピソード

    マクニカネットワークスが忘れない CrowdStrike 三つのエピソード

  3. 日本規格協会、ISO / IEC 27002 の改訂を受け「JIS Q 27002:2024」発行

    日本規格協会、ISO / IEC 27002 の改訂を受け「JIS Q 27002:2024」発行

  4. GMOイエラエ、カルチャーデック公開

  5. 「Apex Legends」高ランク帯のマッチ向けにDDoS攻撃からの保護機能を実装

  6. 大阪の奇跡「純国産SOCサービス」セキュアヴェイル、垂直統合までの20年

  7. デロイトと JFEスチール、サイバーセキュリティの合弁会社設立

  8. ジョン・マカフィーの死から三年、新CEOにクレイグ・バウンディ氏

  9. サイバーセキュリティ防衛技官募集、実務経験13年以上の31歳から58歳(防衛省)

  10. Twitterの青い「認証マーク」を本人確認なしで購入可能に、なりすましは厳罰化

アクセスランキングをもっと見る

「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」
「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」

ページ右上「ユーザー登録」から会員登録すれば会員限定記事を閲覧できます。毎週月曜の朝、先週一週間のセキュリティ動向を総括しふりかえるメルマガをお届け。(写真:ScanNetSecurity 名誉編集長 りく)

×