戦争や大量虐殺等々によってもし世界が今日終わるとしたら、中には、人類には守るに値するものはほとんどないと達観し、笑顔で終末を迎える人すらいるかもしれない。
しかし、人間嫌いの人たちにはお気の毒だが、宇宙の中に存在するこの「地球」という微小な塵は、今後千年ほどの間は、破壊的な小惑星に襲われる心配はない。
これは、コロラド大学ボルダー校の天文学者オスカー・フエンテス=ムニョスとその研究チームによる、学術雑誌『アストロノミカルジャーナル』での掲載が決まった「今後数千年の危険なキロメートル級の NEO(地球近傍天体)」と題する論文(PDF)において導かれた結論である。
迷惑な小惑星は決して無視できない脅威だ。恐竜たちに聞いてみればいい。いや、もうみんな死んじゃったから無理か。どうして絶滅したのかというと、それは小惑星のおかげだ。科学者の多くはそう考えており、これを裏付ける地理的な証拠もたくさんある。メキシコ沿岸にある幅 180 km、深さ 20 km のチクシュルーブ・クレーターは、6,600 万年前に直径 10 kmの宇宙岩石の衝突によって生じたと考えられており、先史時代の生命をほとんど消滅させ、地球は何年も塵や破片に閉ざされることになった。