クラウドストライク株式会社は9月12日、サイバー攻撃をシミュレーションする「レッドチームサービス」の日本語での提供開始を発表した。
同社が提供するレッドチームサービスでは、サイバー攻撃への対応能力を訓練・評価することを目的に、実際の攻撃者と同じく侵入後の目的を設定し攻撃を実施することで、組織は最新のサイバー攻撃の擬似体験ができ、実装するセキュリティ対策の評価と改善が可能となる。また同サービスを継続的に活用することで、最新の脅威活動に合わせたセキュリティ対策の継続的な強化に向けた取り組みを行っていることを社内外のステークホルダーに示すことができる。
レッドチームサービスでは、下記の3つのサービスを提供する。
1.レッドチーム演習
顧客の Active Directory(AD) に対するリアルなサイバー攻撃をシミュレーションすることで、AD環境の侵害につながる可能性のある問題点を特定。
2.レッドチーム/ブルーチーム演習
クラウドストライクのレッドチームが顧客環境に実践的な攻撃を実施しつつ、攻撃の可視化(ログ有無)・検知・防御の各セキュリティ機能を、クラウドストライクのブルーチームメンバーが顧客と共に確認することで、双方の観点からの評価を行う。
3.レッドチーム演習(Advanced)
より実践的なサイバー攻撃演習を行うサービスで、ADの侵害に限らず、クラウド環境への侵入や機密情報の奪取など、多様な攻撃目標を設定し、目標達成に向けた攻撃シミュレーションを行う。レッドチ ームでは、フィッシングやソーシャルエンジニアリングなどを組み合わせた高度な攻撃による組織内部への侵入を試み、インシデント対応チームへの事前通知は行わずに、本物のサイバー攻撃と同様にSOCやCSIRTによる検知・追跡を逃れながら攻撃を進める。
クラウドストライク株式会社 プリンシパル コンサルタント 鵜沢 裕一氏は本誌の取材に対して「レッドチームサービスは、サイバー攻撃をいざ受けたときの対応能力を訓練・評価することを目的に高度なサイバー攻撃をできる限り忠実に再現するもので、高度なサイバー攻撃を前もって体験することにより、足りないところに気づき、事前に対策を講じ、本物の攻撃にうまく対応できるようになる」とサービスを定義した。
鵜沢氏はまた、同社の保有するThreat Intelligenceの活用、日本の言語・文化・商習慣を理解した日本人コンサルタントによるサービス提供などを優位点として挙げたうえで、「後発ではあるものの、経験値は国内他社より圧倒的に多い」と意気込みを語った。