ランサムウェアの身代金支払いで反社への資金供与システムと化すサイバー保険産業 | ScanNetSecurity
2024.07.27(土)

ランサムウェアの身代金支払いで反社への資金供与システムと化すサイバー保険産業

ランサムウェアによる攻撃を行う犯罪者へと企業が保険金の支払いによって被害を免れることを禁止する法律が必要であると、かつてイギリスの政府通信本部(GCHQ)で高い地位に就いていた多くの人物らが最近になって声を上げるようになっている。

国際
ランサムウェアの身代金支払いで反社への資金供与システムと化すサイバー保険産業
 ランサムウェア攻撃を行う犯罪者へ、企業が保険金によって支払うことを禁止する法律が必要だと、かつてイギリスの政府通信本部(GCHQ)で要職に就いていた多くの人物が声を上げている。金を支払っても犯罪者のビジネスモデルを長続きさせるに過ぎないのだという。

 朝起きたら企業の全ネットワークがめちゃくちゃで、ユーザー端末には身代金要求のメッセージだけ。そんな事態にいまやビジネス界は慣れつつある。それでも、かつて政府のハッカーだった人物ら(およびサイバーセキュリティに携わっていた人物ら)は、犯罪者の要求におとなしく従って諦めるという傾向に異を唱えている。

 イギリスの国家サイバーセキュリティセンター(NCSC)の元所長であるキアラン・マーティン氏の議会での発言は今年の初めに大きな話題となった。保険会社は顧客の代わりに身代金を支払うことで「組織犯罪に資金供与している」とマーティン氏は述べたのだ。

 「この国では、犯罪者へ支払う金の費用を賄うために保険金を使うのがますます常態化している。犯罪者にビットコインで支払ったとすれば、その分を保険で請求することができる」とマーティン氏は下院科学技術委員会に述べた。
《The Register》

編集部おすすめの記事

特集

国際 アクセスランキング

  1. レッドチーム演習大成功 丸五か月間誰も気づけず

    レッドチーム演習大成功 丸五か月間誰も気づけず

  2. ランサムウェア集団が謝罪

    ランサムウェア集団が謝罪

  3. 国際手配のランサム犯 逮捕されずに世界中を旅行

    国際手配のランサム犯 逮捕されずに世界中を旅行

  4. [まさか本気でそんなに儲かると思った?]サイバー犯罪者さん 職種別給与一覧 ~ 求人広告22万件調査

  5. Windows 10ではSafeDiscと特定バージョンのSecuROMのDRMシステムを利用した古いゲームがプレイ不可に、セキュリティホールとなる可能性を考慮

  6. 国連サイバー犯罪条約が「グローバル監視協定」になる危険性

  7. 資金力で警察に勝るサイバー犯罪集団とインターポールのプロジェクト

  8. ウクライナの違法な仮想通貨のマイニング工場を摘発、PS4など3,800台のゲーム機を押収

  9. Nimda.E変種ワームが、異なるファイル名を伴って攻撃開始

  10. 「営利企業でなくボランティアに製造物責任負わす」Python 責任者異議

アクセスランキングをもっと見る

「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」
「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」

ページ右上「ユーザー登録」から会員登録すれば会員限定記事を閲覧できます。毎週月曜の朝、先週一週間のセキュリティ動向を総括しふりかえるメルマガをお届け。(写真:ScanNetSecurity 名誉編集長 りく)

×