カナダ版「 セキュリティ10大脅威」 / ワーム化可能 iOS 脆弱性 / 認証情報42億件 配布中 ほか [Scan PREMIUM Monthly Executive Summary] | ScanNetSecurity
2024.03.19(火)

カナダ版「 セキュリティ10大脅威」 / ワーム化可能 iOS 脆弱性 / 認証情報42億件 配布中 ほか [Scan PREMIUM Monthly Executive Summary]

11 月は日本でのインシデント報告も散見され、特定国からのサイバー攻撃が活気付いている印象がありました。特に、IT サービスプロバイダーを介したサイバー攻撃は、諸外国を含め流行しており、組織規模は関係なく警戒が必要です。

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 大企業やグローバル企業、金融、社会インフラ、中央官公庁、ITプラットフォーマなどの組織で、情報システム部門や CSIRT、SOC、経営企画部門などで現場の運用管理や、各種責任者、事業部長、執行役員、取締役、またはセキュリティコンサルタントやリサーチャーに向けて、毎月第一営業日前後をめどに、前月に起こったセキュリティ重要事象のふり返りを行う際の参考資料として活用いただくことを目的に、株式会社サイント 代表取締役 兼 脅威分析統括責任者 岩井 博樹 氏の分析による「 Scan PREMIUM Monthly Executive Summary 」をお届けします。※「●」印は特に重要な事象につけられています。

>> Scan PREMIUM Monthly Executive Summary 執筆者に聞く内容と執筆方針


【1】前月総括

 11 月は日本でのインシデント報告も散見され、特定国からのサイバー攻撃が活気付いている印象がありました。特に、IT サービスプロバイダーを介したサイバー攻撃は、諸外国を含め流行しており、組織規模は関係なく警戒が必要です。特に、夏以降に Azure Active Directory に関連するドキュメントが Microsoft 社を含め、複数リリースされているのは非常に気になる点です。

 日本及び近隣諸国の脅威情報ですが、中国及び北朝鮮の報告が複数ありました。中国はシマンテックの APT10 の報告の他に、TA416( Mustang Panda )の攻撃が報告されています。脅威アクターの階層の中で、攻撃実行者の増加のせいか、アトリビューションが難しい事案が散見されています。

 また、北朝鮮の活動ですが、Kimsuky の活動報告がありました。特に今年は日本への攻撃が複数観測されていますので、12 月も継続的に警戒すべき脅威アクターです。

 注目のインシデント報道としましては、カプコンの二重脅迫ランサムウェアの報道がありました。現在も窃取情報の公開が継続しており、改めて二重脅迫事案の対応の難しさを考えさせられます。

 また、ハッキングされたデータベースより認証情報の提供サービスを展開していた Cit0Day から、同サービスのアーカイブが流出し、複数サイトでダウンロードが可能な状態になっているとの報道がありました。この種の事案では最大級であり、日本組織の情報も多く含まれていることが判明しています。古い漏洩データが主ですが、新たに追加された認証情報も含まれている可能性もありますので早めの対応が望まれます。

 各国のセキュリティ関連報道に関してですが、カナダ CSE が「 National Cyber Threat Assessment 2020 」をリリースしました。カナダ国内へのサイバー攻撃の動向解説に加え、個人向けにオンラインでのインフルエンス活動について警戒を呼びかけており、昨今のサイバー領域における脅威全般に対しての啓発的なレポートとなっています。日本を含め、これまでに個人向けに警戒を呼びかける内容のレポートは数少なく、興味深い内容となっています。

 日本や周辺国におきしても、印象操作をはじめとするインフルエンス活動が多く見られるようになってきています。その観点では、このようなレポートは今後のセキュリティ対策などを熟考する上で参考になるものです。
《株式会社 サイント 代表取締役 兼 脅威分析統括責任者 岩井 博樹》

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