独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は7月30日、2020年4月から6月の第2四半期における「サイバー情報共有イニシアティブ(J-CSIP)運用状況」を公開した。J-CSIPは、13業界259組織および2情報連携体制(医療系4団体およびその会員約5,500組織、水道関連事業者等9組織)の体制となっている。同四半期、J-CSIP参加組織からIPAに対し、サイバー攻撃に関する情報(不審メール、不正通信、インシデント等)の情報提供が325件(前四半期は602件)行われ、その情報をもとにIPAからJ-CSIP参加組織へ55件(前四半期は56件)の情報共有が実施された。このうち標的型攻撃メールとみなした情報は87件であった。前四半期まで観測されていたプラント関連事業者を狙う一連の攻撃について本四半期では観測されず、一時的に攻撃が停止しているだけか、攻撃そのものが終わったのかは不明。相談・報告事例は、「実在する日本の企業を騙るウイルスメールが着信した」が1件、「Office 365 のアカウント情報を狙うフィッシングメールが着信した」が14件、「組織内から外部の不審サイトに不正通信を行っていることを検知した」が4件となっている。そのほか、ビジネスメール詐欺では、日本国内企業(支払側)と海外取引先企業(請求側)との取引において、攻撃者が請求側企業の担当者になりすますビジネスメール詐欺が試みられた事例があった。また、日本国内企業の海外グループ企業(請求側)と海外取引先企業(支払側)との取引において攻撃者が請求側企業の担当者になりすますビジネスメール詐欺が試みられた事例が確認されている。