中国セキュリティ企業、日本へのサイバー攻撃事例投稿ほか ~ 2019 年 7 月のふりかえり [Scan PREMIUM Monthly Executive Summary]
謎のハッカーグループ「 Intrusion Truth 」が、APT グループに関する最新情報を投稿しました。同記事によると、APT オペレーションの実行組織の主要なメンバーが、郭林 ( Guo Lin )であることを指摘しています。
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【1】前月総括
日韓関係が悪化する中、韓国からのサイバー攻撃の増加が懸念される声が聞かれるようになっています。現在のところ、一部で攻撃が散見されている程度ですが、政府関連組織や同国との取引のある企業においては、監視を強化するなどの対応が必要と考えます。
先月は、Windows OS の未解決の脆弱性が悪用されたとの報告がありました。特に影響があるとみられるのは Windows 7 とみられ、利用している組織においては早めの対策が望まれます。
インシデントに関してですが、Elasticsearch データベースにおけるセキュリティ対策の不備を原因した情報流出事故が相次いでいます。月末には、本田技研工業の社内ネットワークや従業員情報が公開状態になっていたことが発覚しています。
同種の事故は、いずれもアクセス制御などの基本的対策の不備によるものです。特に IaaS などを利用している環境による設定不備が散見されていることを踏まえますと、恐らくクラウドサービスを利用していることを失念し、サーバ構築および運用を行った結果の事故なのかもしれません。
中国の APT グループの独自調査を進める Intrusion Truth が最新の調査報告を投稿しました。今回の対象は先端技術企業などを標的とする APT17 のようです。今回の報告では、APT17 が盗み出したデータを中国のハッキングコミュニティや MSS(国家安全部)に売買していた可能性が指摘されています。
APT17 は日本企業にとっても関係のあるグループです。今回の Intrusion Truth の調査結果がどこまで開示されるのかを含め、非常に興味深い調査と言えます。
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