企業のネットワーク管理者必見!Internet Week 2017 セキュリティセッション紹介 第7回「オフィス/公衆Wi-Fiのセキュリティと混雑解消に向き合おう」について語る | ScanNetSecurity
2024.03.19(火)

企業のネットワーク管理者必見!Internet Week 2017 セキュリティセッション紹介 第7回「オフィス/公衆Wi-Fiのセキュリティと混雑解消に向き合おう」について語る

快適なWi-Fi利用を担保するために、電波の干渉や混雑を考慮した設計や無線空間のセキュリティリスク対策等は不可欠です。これらを実現するための技術的知見や観点・課題を紹介し、今後のWi-Fi設計・構築に役立つ方法を解説します。

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11月28日から12月1日にかけて、一般社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)主催の「Internet Week 2017 ~向き合おう、”グローバル”インターネット~ 」が、浅草橋のヒューリックホール&カンファレンスで開催される。

セキュリティ関連のプログラムでは、(ISC)2が認定する情報セキュリティの国際資格であるCISSP維持のための「CPEクレジット」も貯められる。

情報セキュリティに関するプログラムの見どころを語ってもらう企画の7回目は、11月30日(木)に行われるプログラム「オフィス/公衆Wi-Fiのセキュリティと混雑解消に向き合おう」について、COnference Network BUilders(CONBU)の外山 隆司氏に話を聞いた。


―― Wi-Fiは今やどこでも使われていますね。セキュリティや混雑について、企画者としてはどうとらえていますか?

Wi-Fiが生活インフラになっていることは疑いようがありません。自分が契約しているWi-Fiサービスだけではなく、公共交通機関や自治体のフリーWi-Fi活用を老若男女問わずやっています。

利用者目線に立つと「繋がりにくい」「Wi-Fiのセキュリティが危ない」のような漠然とした問題意識があると思いますし、逆にWi-Fi提供者に視点を転じると、それらの問題意識への技術的対策を考慮してサービス提供を行う中で、目に見えない電波を扱ったり、傾向が読み取りづらい干渉源である"ヒト"の動きを考慮するなど、いわゆる定型的な対策を打ちにくいところがWi-Fiにはあります。

この「一言で言い切れない」部分にスポットを当て、Wi-Fi提供側が今現在どういう知識を踏まえた上でどんな課題に直面し、どう考えているかを技術的観点から紹介すれば、利用者も提供者側も有意義なのではと考えて今回のプログラムを企画しました。

私は、繋がりにくいことやセキュリティの課題が、キーワードのみで語られることが多いと感じています。「繋がりにくい」というのが「快適に使える」状態と比較して、定量的に何がどう変容しているからなのか、具体性のある調査と分析がないと、解決しないと思っています。

同様のプログラムは2年前からあったのですが、電波に関する基本的な知識を踏まえるべき、というメッセージをこめて、ひきつづきDMM.comラボの熊谷暁さんに登壇をお願いしています。「電波と光の性質の類似性」「空間の分割」という考え方についてもお話しいただけると思います。さらに、Wi-Fi利用場所としてのオフィスを題材に取り上げ、電波状況の変化やそれを捕捉するための手段についてお話しいただく予定です。

その後、電波の特性と快適性の阻害要因が跋扈する「イベント」という環境内で、具体的にどのようなプロセスと評価で使用に耐えうるWi-Fi環境を構築・運用するかについて、Interop Tokyo 2017に携わった、NTTコミュニケーションズの榎本淳志さんにお話しいただきます。特に、構築計画と設計にどういう意図をもってどんな技術を採用するか、ということと、その設計の正当性を厳しく自己評価するプロセスは必聴です。

そして最後に、セキュリティの具体例として、認証に特化した話をセキュア公衆無線LANローミング研究会の山口潤さんにお話をお願いしています。セキュリティというと大変幅広いので、今回はWi-Fi利用の認証部分に特化してお話しいただこうと考えており、通り一遍に使われる認証方式のリスクと、セキュアな認証方式のメリット、実装に関する知見などに言及したうえで、セキュリティと快適さとを考慮した具体例が紹介されます。

――参加者にとっては一番の見どころはどこでしょうか?

繰り返しになりますが、「どの技術をどう使ったらどういう結果になったか」という観点にこだわったところですね。電波の特性や空間の分割について、これほどわかりやすい説明はなかなか聞く機会はないでしょうし、イベントのようなWi-Fiの混雑要因がひしめく中で、使用に耐えうる環境を構築したという情報自体も貴重なものです。また、セキュリティという多岐にわたる領域で、明確な問題意識の下にフィールドワークがなされたその事例の紹介もまた、価値が高いと思います。よく技術系の記事にある「○○使ってみた!!」というような情報よりも、一層深く、ためになる知見が得られることをお約束します!(笑)

―― このプログラム、どんな方に聴いてもらいたいと思いますか? 参加者や読者にメッセージがありましたらお願いします。

まず、Wi-Fiサービスを提供する方、無線LAN環境の構築・運用をされる方。それから、Wi-Fiの恩恵にあずかりつつも、その全容に対して知的好奇心を持っていらっしゃる方もですね。

特に、セキュリティってそもそもどういうことなのよとか、混雑で繋がりにくいときに何が起きているの?という疑問をお持ちの方には非常に有益なセッションになると思いますので、誰が参加してもおもしろいと考えています。

多くの方にご参加いただければ嬉しいです。お待ちしております。

●プログラム詳細
「S14 オフィス/公衆Wi-Fiのセキュリティと混雑解消に向き合おう」
https://www.nic.ad.jp/iw2017/program/s14/

- 開催日時:2017年11月30日(木) 13:15 ~ 15:45
- 場所:ヒューリックホール&カンファレンス(浅草橋)
- 料金:事前5,500円/当日8,000円

13:15 ~ 13:55
Wi-Fiの混雑に向き合う基本的知識とオフィスWi-Fi提供時の課題
- 講演者:熊谷 暁(DMM.comラボ/CONBU)
- 電波の特性や干渉・空間の分割といった基本的な知識と、オフィスエリアのWi-Fi設計の考え方と課題、見えない電波を見るための道具などを紹介します。

14:05 ~ 14:45
ShowNetが直面したWi-Fi環境の課題とその克服過程
- 榎本 淳志(NTTコミュニケーションズ株式会社 / Interop Tokyo 2017 ShowNet NOCチーム)
- Interop Tokyo ShowNetにおける会場無線LANの設計・構築を通して得ることのできた、混雑しやすい環境でWi-Fi環境を構築する際に検討すべき課題や、その克服に必要な考え方についてご紹介します。

14:55 ~ 15:45
セキュアな公衆Wi-Fiを構成する認証連携基盤とPasspoint/NGHの動向
- 山口 潤(セキュア公衆無線LANローミング研究会/株式会社グローバルサイト)
- 公衆Wi-Fiにおけるセキュリティのうち、 Passpointによる認証及び認証連携に特化して、 今夏世界規模で行われたCity Wi-Fi Roamingの話題を交えながら最近の海外動向、技術的要素、 課題を紹介します。

※時間割、内容、講演者等につきましては、予告なく変更になる場合があります。
《ScanNetSecurity》

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