DMARCの国内ISP導入事例 | ScanNetSecurity
2024.04.26(金)

DMARCの国内ISP導入事例

DMARCとはどういったものか。その概要と関連技術(ARC、BIMI)について、そして国内導入事例をまとめたい。

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実務家に向けた情報共有の場「迷惑メール対策カンファレンス」のセッション「送信ドメイン認証技術DMARC及び関連技術(ARC、BIMI)の解説とDMARC導入事例の紹介」から、DMARCとは、その概要と関連技術(ARC、BIMI)について、そして国内導入事例をまとめたい。

同セッションの登壇者は、日本インターネット協会 北崎恵凡氏、東京農工大 北川直哉氏、コミュニティネットワークセンター ニコライ・ボヤジエフ氏だ。

●SPF/DKIMをより正確にするDMARC

フィッシングメールや標的型攻撃メールの対抗手段として「DMARC」というしくみが注目されている。DMARC(Domain-based Message Authentication,Reporting and Conformance)は、SPF/DKIMといった送信側ドメイン名認証機能を利用した対策技術で、送信元のなりすまし対策に有効とされるものだ。北川氏のセッションをベースにどんなしくみなのか解説する。

迷惑メールやなりすましメールを防ぐ技術としては、SPF/DKIMといった送信者側のドメイン名を署名・証明する方法がある。しかし、一般的なメールは、プログラムによる自動送信、転送、アウトソースされたメールサーバーなど、送信条件や経路が多様だ。そのため、転送設定やメーラーの設定によっては、正規のメールでもSPF/DKIMが送信元を正しく判断できないことがある。

メールサーバーを外部のISPやクラウドメールを利用している場合、メールアドレスのドメイン名と、実際のメール送信元の情報が一致しないことがある。Office 365やgmailを自社ドメインで運用している場合がこれにあてはまる(第三者署名問題)。また、メーリングリストに送ったメールが、メーリングリストのサーバーがメンバーに配信する場合、Subjectにシリアルナンバーが追加され、メールの改ざんとみなされてしまう。

DMARCはこの状況の対策として、受信側SPF/DKIMで認証を失敗したメールの扱いポリシーを、送信側が決めて外部に指定するしくみだ。扱い方法は、「なにもしない(none)」「隔離(quarantine)」「拒否(reject)」の3種類指定することができる。受信側はDMARCの指定に従い、認証に失敗したメールを処理し、送信元にその結果レポートを送る。

《中尾 真二》

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