Internet Week 2013 セキュリティセッション紹介第9回「IPv6 セキュリティ最前線」 | ScanNetSecurity
2024.03.29(金)

Internet Week 2013 セキュリティセッション紹介第9回「IPv6 セキュリティ最前線」

9回目となる今回は、2日目の11月27日午後に行われるプログラム「IPv6 セキュリティ最前線」について、日本電信電話株式会社の藤崎智宏氏に語っていただいた。

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11月26日から11月29日にかけて、一般社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)主催の「Internet Week 2013 ~荒ぶるインターネットを乗りこなす~」が、秋葉原の富士ソフトアキバプラザで開催される。

「Internet Week」は、インターネットに関わる主にエンジニアを対象に、最新動向セッションとチュートリアルを織り交ぜ、計40近くものセッションが会期中に行われる、年1度の非商用イベントだ。

今回のテーマは「荒ぶるインターネットを乗りこなす」。「荒ぶる」とは何やら穏やかではないが、インターネットが、今までに増して利用され、パワフルとなる一方で、「セキュリティ」についてもかつてないほどに叫ばれるようになっている。こうした荒ぶるインターネットを乗りこなすことで、さらなる進化を許容し、価値の高いインターネットを実現していこうと、このテーマとしたということだ。

本連載では、このInternet Week 2013のセッションのうち、情報セキュリティに関する10セッションを選んで、そのセッションの見どころ・意義・背景などを、各セッションのコーディネーターに語ってもらう。

9回目となる今回は、2日目の11月27日午後に行われるプログラム「IPv6 セキュリティ最前線」について、日本電信電話株式会社の藤崎智宏氏に語っていただいた。

――IPv4アドレス在庫の枯渇後、各方面においてIPv6の導入は進んでいるように見えますが、「IPv6はセキュリティが甘い」という声もよく聞くように思います。

藤崎:いいえ、IPv6がIPv4に比べて、セキュリティが甘い、ということはありません。IPv4より容易に機器をネットワークにつなげられるように導入されたアドレス自動設定機構や、そのIPv4のARP (Address Resolution Protocol)相当プロトコル等がよく問題に挙げられますが、実質的にはIPv4でDHCP (Dynamic Host Configuration Protocol)を動かしている環境と大差ありません。

今日、侵入の防止を考えた場合、そのネットワークに物理的に接続されてしまえば、侵入者はやりたい放題なのはIPv4でもIPv6でも同じです。ネットワークの性質ごとに、どのようなセキュリティ対策が必要かは変わってきますが、対策が必要な場合においては、IPv4でもIPv6でも、勝手にネットワークに機器をつなげられないようにするといった問題への対策は、同様に必要なのです。そのため、IPv6を導入した場合も、必要に応じ、IPv4で実施してきたセキュリティ対策と同様の対策を、IPv6に対しても実施する必要があります。

また、セキュリティ課題として取り上げられるもののいくつかは、IPv4とIPv6が共存することにより発生します。共存環境での注意もあわせて必要となります。

――なるほど、IPv6を導入することにより、問題が発生する、という可能性はあるわけですね。しかしながら、IPv4アドレスの在庫が枯渇した今、各方面でIPv6は推進していかないとなりませんよね。

藤崎:そうなんです。もうそろそろ、IPv6の導入は、真剣に取り組まなくてはいけないフェーズに来ています。IPv6は、IPv4とはプロトコル的に全く別であることを理解し、また、IPv4との共存環境に合わせたセキュリティ対策を実施する必要があります。昨今、セキュリティ機器のIPv6対応も進んできており、また、運用のノウハウもたまってきていることもあわせて知ってもらいたいと思います。

――今回のセッションでは、どのようなことが解説されるのでしょうか?

藤崎:まずはじめに、「IPv6プロトコルセキュリティ」と題して、金沢大学の北口善明氏に、IPv6のプロトコル上の懸念点全体をお話しいただきます。IPv6とIPv4との違い、特に、IPv6を利用する際におけるセキュリティ的に注意すべき点の講演をお願いしております。

その後、「iDC/サーバ構築におけるIPv6セキュリティ」と題して、株式会社クララオンラインの白畑真氏に、データセンター、そしてサービス用に利用しているサーバをIPv4とIPv6のデュアルスタックで運用する場合などの課題や、アドレス設定における注意点などをお話ししていただくことで、発生するセキュリティ課題について解説しようとしています。

その後、株式会社インテックの廣海緑里氏に、「プライバシー」を念頭に置いた、家庭などでのネットワークにおける注意点を話してもらいます。アドレス設定をどうするか、などの話となるのではないでしょうか。

――このセッション、特にどのような方に聴きにきてほしいと考えていらっしゃいますか?

藤崎:IPv6のセキュリティに興味をお持ちの方はどなたでももちろん来ていただければと思いますが、IPv6をそろそろ導入しないといけないと思われていらっしゃる方に特にお勧めです。

また、今回のInternet Weekでは、初心者向けの「入門IPv6」「IPv6ハンズオンセミナー ネットワーク編」「IPv6ハンズオンセミナー サーバー編」も用意していますし、すでに導入を図った方のための「IPv6トラブルシューティング2013」「IPv6最新技術解説」、そして「アプリケーション・サービスのIPv6対応」と、IPv6に関することは何でも網羅できるくらいセッションを用意しているつもりです。

それぞれのニーズに合わせて、セッションを選択していただければと思います。お待ちしています。

●プログラム詳細

「T6 IPv6 セキュリティ最前線」

- 開催日時:2013年11月27日(水) 13:00~15:30
- 会場:富士ソフト アキバプラザ
- 料金:事前料金 5,000円/当日料金 7,000円
- https://internetweek.jp/program/t6/

13:00~14:00
1) IPv6プロトコルセキュリティ
北口 善明(金沢大学)

14:00~14:40
2) iDC/サーバ構築におけるIPv6セキュリティ
白畑 真(株式会社クララオンライン )

14:40~15:30
3) 家庭におけるIPv6セキュリティ
廣海 緑里(株式会社インテック)


※特典:このセッションに申し込まれた方には、 「Scan Tech Report (年間
購読定価10,332円)」もしくは 「情報セキュリティ 総合情報メールマガジ
ンScan(年間購読定価10,080円)」の無料プレゼント があります。

※時間割、内容、講演者等につきましては、予告なく変更になる場合があります。

Internet Week 2013
https://internetweek.jp/
《ScanNetSecurity》

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