公開鍵証明書の脆弱性を速やかに検証し脆弱なSSLサーバを特定、分布状況が把握可能に(NICT) | ScanNetSecurity
2024.04.20(土)

公開鍵証明書の脆弱性を速やかに検証し脆弱なSSLサーバを特定、分布状況が把握可能に(NICT)

 情報通信研究機構(NICT)は10月22日、「SSL」(Secure Socket Layer)の脆弱性を検証するシステム「XPIA」(エクスピア)を構築したことを発表した。

製品・サービス・業界動向 業界動向
 情報通信研究機構(NICT)は10月22日、「SSL」(Secure Socket Layer)の脆弱性を検証するシステム「XPIA」(エクスピア)を構築したことを発表した。

 「SSL」は、電子政府システム、インターネットバンキング、オンラインショッピングなど、広く普及しているセキュリティシステムで、インターネット上での安全な通信を支える技術となっている。一方で、2012年に、SSLに対する新しい脅威が報告された。

 SSLでは、通信相手のサーバが本物であるかどうかの確認(認証)などに公開鍵暗号「RSA」が利用されているが、昨年、ヘニンガーとレンストラのチームによって、乱数の偏り等が原因で、同じ秘密鍵(素数)を含む公開鍵が多数生成され、SSLサーバ証明書に組み込まれて利用されていることが報告された。2つのRSA公開鍵に同じ秘密鍵が含まれていた場合、最大公約数を求めることで簡単にその秘密鍵が暴かれ、SSLサーバ証明書の偽造などが可能になるという。この結果、世界中のSSLサーバの0.4%に当たる2万台以上が危険な状態にあることが判明した。

 「XPIA」は、SSLサーバの公開鍵証明書について、そのセキュリティ上の脆弱性を検証するシステムだ。XPIAにより、公開鍵証明書の脆弱性を速やかに検証できるとともに、脆弱なSSLサーバを特定し、分布状況を把握することが可能になる。

 今回、XPIAを用いてSSLサーバから収集した公開鍵証明書から抽出したRSA公開鍵の脆弱性を検証したところ、少なくとも世界中で2,600台を超えるSSLサーバが脆弱な公開鍵を現時点でも利用していたとのこと。また調査範囲内では、インターネットバンキングやオンラインショッピングなどのサービスサイトは見つか羅なかった。

 本成果は、日本の電子政府等において、暗号技術を安全に利用するための指針として活用される予定。

NICT、SSLの脆弱性を検証するシステム「XPIA」を開発……脆弱なSSLサーバを特定

《冨岡晶@RBB TODAY》

関連記事

Scan PREMIUM 会員限定記事

もっと見る

Scan PREMIUM 会員限定記事特集をもっと見る

カテゴリ別新着記事

「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」
「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」

ページ右上「ユーザー登録」から会員登録すれば会員限定記事を閲覧できます。毎週月曜の朝、先週一週間のセキュリティ動向を総括しふりかえるメルマガをお届け。(写真:ScanNetSecurity 名誉編集長 りく)

×