LTE障害について謝罪、今後はスマートフォン・4G時代に見合った「機能安全」の確立を目指す(KDDI) | ScanNetSecurity[国内最大級のサイバーセキュリティ専門ポータルサイト]
2017.12.14(木)

LTE障害について謝罪、今後はスマートフォン・4G時代に見合った「機能安全」の確立を目指す(KDDI)

インシデント・事故 インシデント・情報漏えい

 KDDIは10日、4月末および5月末に発生したLTE障害について、影響を受けた顧客に700円を返金すると発表した。同社の代表取締役社長の田中孝司氏は記者会見で、「ご迷惑、ご心配をおかけいたしまして、あらためてお詫び申し上げます」と謝罪した。

 障害は、4月27日、5月29日と5月30日に東京都、神奈川県、山梨県の一部で発生。LTE通信が利用できなくなったり、利用しにくくなったりした。発生した時間が最も長かった5月29日は18時間43分にわたって障害が続き、音声通信サービスにも影響が出た。

 障害は、MME(LTE基地直制御装置)のバグが原因。MMEは、端末の位置登録、認証などを行うLTE設備。フラグメンテーション処理に係るリセットバグとリカバリー処理バグという2つのバグを抱えていた。

 4月27日は、フラグメンテーション処理に係るリセットバグにより、MME内のNW I/Fカード4つのうち3つがダウン。残り1つのNW I/Fカードにアクセスが集中した結果、リカバリー処理バグを誘発し、2つあったMMEの両系がダウン、LTE通信ができない状態となった。

 5月29日の障害は、このバグを解消するための修正ファイル投入中に発生。まず片系のMMEへの修正ファイルの投入中にハードウェア障害が発生、切り戻しを主なうために切断。もう片系のMMEに処理が集中した結果、リカバリー処理バグを誘発し、両系がダウン。LTE通信ができない状態となった。LTE網から3G網に大量の移動機がハンドダウンしたことで、HSS(加入者情報管理システム)が大量の接続通知を受信、当該MMEと一部のHSS間で通信がしにくくなった。その結果、音声発着信やSMSができなくなったり、しにくくなったりする状態となった。

 5月30日は、29日から手順を変えて修正ファイルを投入しようとしたものの、再びリカバリー処理バグを誘発し、またしてもMME両系がダウン、LTE通信ができない状態となった。

 課題として、2つのバグへの対処、運用品質の向上・復旧時間の短縮、切替時の瞬間的高負荷耐性の向上を挙げた。また、現在は、暫定的ではあるものの、安定的な運用ができているとした。


 今後の対策として、田中社長を本部長としたLTE基盤強化対策本部の設置、MME設備投資に約200億円、付帯設備等に約100億円、合わせて300億円を追加投資し、『スマートフォン/4G時代に見合った"機能安全"の確立』を目指すという。

 合わせて、これら一連の通信障害のお詫びとして、障害を受けたユーザーに700円を返金すると発表した。対象となるユーザーには、6月末までにメール等で連絡し、7月以降の請求で減算する。通信障害での返金はKDDIとして初めて。

 また、LTEのエリアカバー率についても説明した。2013年5月末現在、iPhone 5で利用できる2.1GHz帯のLTE実人口カバー率は71%、来年度中には90%を目指したいと説明した。

 その上で、「各事業者で計算方式が違うため単純比較はできない」ことを強調した。総務省や業界団体で行われている表示方法を統一するという動きについては、「議論の結論が出ればそれにしたがって変えていく」との考えを示した。LTEカバー率については、消費者庁から不当景品類および不当表示防止法第6条の規定に基づく措置命令を受けている。

KDDI田中社長、LTE通信障害を謝罪……カバー率についても言及

《吉川 亮太@RBB TODAY》

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