政府は、災害発生時の港湾機能の維持と早期復旧を図るなどの港湾法改正案を閣議決定した。首都直下地震などの大規模地震が発生した場合、東京湾、大阪湾、伊勢湾に、大量の漂流物や施設の損壊によって船舶の入出港が困難となり、産業活動や国民生活に甚大な被害が発生することが懸念されている。また、産業活動や国民生活に不可欠な石炭などの資源・エネルギー等の輸入については、企業が個別に行っているため、輸送費用がかさみ、産業競争力の強化に支障を来している。これらの状況を踏まえ、災害発生時、港湾機能の維持・早期復旧を進める。更に、ばら積み貨物の海上運送の効率化を通じて国内産業の国際競争力の強化を図るため、港湾法を改正する。大規模地震などの発生時、緊急物資を輸送する船舶の通航ルートを確保するため、重要な航路で国が障害物を迅速に除去するとともに、船舶の待避場所として泊地を整備する。また、港湾管理者は港湾施設を管理する民間事業者に対し、港湾施設の維持・管理状況について報告を求めるとともに、必要な勧告、命令ができるように制度化する。一方、ばら積み貨物の海上運送の効率化に向けて、国土交通大臣が指定するばら積み貨物の輸入拠点港湾で、関係者の連携による共同輸送を促進するため、荷さばきの共同化に必要な施設の整備、管理に関する協定制度を創設する。