トレンドマイクロ株式会社は10月4日、2012年9月度の「インターネット脅威マンスリーレポート」を発表した。9月度の脅威状況では、9月18日にMicrosoftのWebブラウザ「Internet Explorer(IE)」の脆弱性(CVE-2012-4969)が公表され、22日に修正プログラム(MS12-063)が公開されるまでの4日間、ユーザは「ゼロデイ攻撃」の脅威にさらされていた。同社では18日、すでにこの脆弱性を利用した不正なWebサイトを複数確認していた。これらの一部の不正Webサイトに接続すると、最終的にバックドア型不正プログラム「BKDR_PLUGX」が仕掛けられる。確認された不正サイトのひとつは、URLに「尖閣諸島」のニュースを想定させる「senkaku」という文字列と国内テレビ局名が含まれていた。これは話題のニュースでユーザの興味を引く意図があったと推測される。また、不正Webサイトにアクセスした後で正規のMicrosoftのWebサイトを表示することで、攻撃に気づかれにくい工夫がされていたほか、正規サイトを改ざんし、該当の不正なHTMLファイルが埋め込まれた事例も確認されている。日本国内の不正プログラム検出状況では、4位から9位の6種はJavaの脆弱性などを利用してWeb経由で感染する「ZACCESS」関連の不正プログラムであった。これらは全世界でも7、8、9位となっている。日本国内の問い合わせ状況では、ランキングの1、2位は「TROJ_PIDIEF.RLIA」「EXPL_PDF4155.A」で検出するPDFファイルへの問い合わせであった。ファイル自体によるユーザへの深刻な実被害はないものの、Adobeの脆弱性に対するエクスプロイトコードを含むため検出される。