トレンドマイクロ株式会社は4月11日、チベット問題の関係者を狙う標的型攻撃についての続報をブログで発表した。この状況は現在も変わっておらず、4月9日に標的型攻撃を再び確認した。標的となったシステムに侵入するために、親チベット感情に便乗したソーシャルエンジニアリングの手法が使用されたという。3月下旬に立て続けに確認された標的型攻撃と同様に、この攻撃ではWindowsとMacの両方のOSが狙われた。問題のメールに記載されているリンクをユーザが誤ってクリックすると、特定のスクリプトが埋め込まれたWebサイトに誘導される。このスクリプトは、ユーザのPCがWindowsかMacのどちらのOSを使用しているか確認する。誘導されるWebサイトは、解析時点では名前解決されておらずアクセスできなかったが、Googleのキャッシュからコードを入手できたという。このスクリプトは、「Java Runtime Environment(JRE)」に存在する脆弱性「CVE-2011-3544」を利用する不正なJavaアプレットを読み込み、この脆弱性を突くことでバックドア型不正プログラムを作成、作成した不正プログラムを実行する。