JX日鉱日石エネルギーは13日、東日本大震災の教訓を踏まえたガソリンスタンドの実証展開を開始。ENEOS「新・震災対応SS(サービス・ステーション)」第1号店を宮城県石巻市に開所したと発表した。同社では、2006年より停電時でも燃料油供給が可能な「震災時給油可能SS」を全国展開。しかし、東日本大震災で多くのSSが浸水被害で給油不能となったことを受け、停電だけでなく、浸水への対策も講じた「新・震災対応SS」の実証を開始する。今回開所した1号店では、浸水対策として、モーター簡易交換方式の計量機を導入。建屋2階へ大型の緊急用発電機を設置することで給油機能の即時復旧を可能としている。さらに、緊急時の生活インフラ支援として、携帯電話用充電器、飲料水および生活用水、一時避難場所として提供可能な建屋屋上のスペースなどを確保した。また、平常時からの省電力対策として、太陽光発電システム、燃料電池エネファームを設置するとともに、キャノピー灯と室内灯をLED照明とし、大震災に強い設備を有する、地域貢献型かつ省エネ運営のSSとした。同社は、2013年度までに東北から九州にかけての太平洋側の12市区に「新・震災対応SS」を設置・実証し、今後の生活インフラとしてのSSの機能向上を検討していく。