株式会社Kaspersky Labs Japan(カスペルスキー)は10月28日、ロシアKasperskyが10月13日に公開したリリースの抄訳として、2011年9月度のマンスリーレポートを発表した。レポートでは9月の新たな脅威として、BIOSに感染しシステムの制御を可能にするトロイの木馬が発見された。このルートキットはAward製のBIOSへの感染を目的としており、中国で作成されたと見られている。そのトロイの木馬コードは明らかに未完成であり、デバッグ情報を含むものであったが、同社はその機能と仕組みを割り出すことに成功したという。企業ネットワークに対する攻撃では、大規模な組織を標的とした攻撃の初期段階にメールを利用するケースが増加している。9月でも大きなインシデント2件にその戦略が使われた。まずは、Trend Microのエキスパート達がその存在を明らかにしたインシデントで、Luridと命名された。同社は、主にロシア・旧ソ連諸国・東欧の国々にまたがる1,500台もの感染コンピュータを制御していた数台のサーバへのリクエストの傍受に成功している。このほか、個人ユーザを対象とする攻撃に「DigiNotarへの不正侵入」「Mac OS向けの新種トロイの木馬」「モバイル狙う脅威」「QRコード経由の攻撃」などを取り上げ、「三菱重工に対する攻撃」にもコメントしている。(吉澤亨史)http://www.kaspersky.co.jp/news?id=207582759