Flash ファイルの処理に起因する 0-Day エクスプロイト(Scan Tech Report) | ScanNetSecurity
2024.04.26(金)

Flash ファイルの処理に起因する 0-Day エクスプロイト(Scan Tech Report)

1.概要
Adobe Flash Player および Adobe Acrobat/Reader に任意コード実行が可能な脆弱性が報告されました。悪質な SWF または PDF ファイルを処理した場合、リモートの第三者によってシステムを制御される可能性があります。

脆弱性と脅威 エクスプロイト
1.概要
Adobe Flash Player および Adobe Acrobat/Reader に任意コード実行が可能な脆弱性が報告されました。悪質な SWF または PDF ファイルを処理した場合、リモートの第三者によってシステムを制御される可能性があります。

この脆弱性は 2011/3/14 (米国時間) に 0-Day エクスプロイトを悪用した標的型攻撃が行われていると Adobe Systems がアドバイザリを公開し、2011/3/21 に脆弱性を解消するバージョンを定例外リリースした問題になります。

既にこの脆弱性を悪用する攻撃が確認されており、攻撃を受ける可能性が高いことが考えられるため、対象のユーザは速やかに以下に記載する対策を実施することを推奨します。


2.深刻度(CVSS)
9.3
http://nvd.nist.gov/cvss.cfm?version=2&name=CVE-2011-0609&vector=%28AV%3AN/AC%3AM/Au%3AN/C%3AC/I%3AC/A%3AC%29


3.影響を受けるソフトウェア
Adobe Flash Player 10.2.152.27 for Linux 以前
Adobe Flash Player 10.2.152.33 for Macintosh 以前
Adobe Flash Player 10.2.152.26 for Solaris 以前
Adobe Flash Player 10.2.152.32 for Windows 以前
Adobe Flash Player 10.1.106.16 for Android 以前
Adobe Acrobat 9.4.2 for Macintosh/Windows 以前
Adobe Acrobat X (10.0.1) for Windows 以前
Adobe Reader 9.4.2 for Macintosh/Windows 以前
Adobe Reader X (10.0.1) for Macintosh/Windows 以前

※Google Chrome に同梱される Adobe Flash Player、Adobe AIR 2.5.1 以前
もこの脆弱性の影響を受けます。


4.解説
Adobe Flash Player 9.x 以降には、ActionScript 3.0 で記述された Flash ファイル (SWF) を実行可能な仮想マシン Adobe ActionScript Virtual Machine(AVM2) が実装されています。この AVM2 の JIT (Just-In-Time) コンパイラが SWF ファイル内のバイトコードをネイティブコードに変換します。
また、Adobe Acrobat/Reader 9.x 以降には、PDF に埋め込まれた SWF ファイルを処理するためのコンポーネント authplay.dll が同梱されています。

Adobe Flash Player および Adobe Acrobat/Reader の authplay.dll には、SWF ファイルを処理する際の AVM2 バイトコードの取り扱いに不備が存在するため、特定のメソッドを含む不正な SWF ファイルを処理した場合に、初期化されていないメモリ領域を参照してしまう脆弱性が存在します。

この脆弱性を利用することで、リモートの攻撃者は Adobe Flash Player または Adobe Acrobat/Reader を実行するユーザの権限で任意のコード実行が可能となります。なお、Adobe Acrobat/Reader 8.x、Adobe Reader 9.x for UNIX、Adobe Reader for Android は、この脆弱性の影響を受けません。

また、Adobe Systems を含め F-Secure, Trend Micro 等のセキュリティベンダによれば、この脆弱性を悪用した不正な SWF ファイルを埋め込んだ Microsoft Excel ファイル (XLS) による標的型メール攻撃を確認していると報告しています。この標的型攻撃に利用されるメールには、先日の東日本大震災に便乗した、震災関連のフレーズが利用されているとの報告もあり、メールの添付ファイルを開く際は、メールの送信元アドレスや添付ファイル名等が不審なものでないか、いつも以上に注意する必要があります。

Attack Using CVE-2011-0609:
http://www.f-secure.com/weblog/archives/00002127.html
Excel File Containing Adobe Zero-Day Exploit Found:
http://blog.trendmicro.com/excel-file-containing-adobe-zero-day-exploit-found/
Adobe Fix for CVE-2011-0609
http://www.securelist.com/en/blog/6139/Adobe_Fix_for_CVE_2011_0609
地震、津波、原発、節電などのファイル名の不正プログラムが国内で流通:
http://blog.trendmicro.co.jp/archives/4001


6.ソースコード
(Web非公開)

(執筆:株式会社ラック サイバーリスク総合研究所 コンピュータセキュリティ研究所

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Scan Tech Report
http://scan.netsecurity.ne.jp/archives/51916302.html
《ScanNetSecurity》

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