海外における個人情報流出事件とその対応「ハクティビスト活躍で始まった2011年」(1)チュニジア政変で重要な役割 | ScanNetSecurity
2024.03.28(木)

海外における個人情報流出事件とその対応「ハクティビスト活躍で始まった2011年」(1)チュニジア政変で重要な役割

●ハクティビスト活躍で始まった2011年
2010年の年末から2011年1月にかけて、セキュリティ企業各社が2011年のセキュリティトレンド予測を発表している。その中で、McAfeeとPandaLabsがハクティビズムについて取り上げた。ハクティビズムはハッキングなどで政治的主張を行

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●ハクティビスト活躍で始まった2011年
2010年の年末から2011年1月にかけて、セキュリティ企業各社が2011年のセキュリティトレンド予測を発表している。その中で、McAfeeとPandaLabsがハクティビズムについて取り上げた。ハクティビズムはハッキングなどで政治的主張を行うことだ。

両社とも12月中に発表したことから、WikiLeaksに反対の立場をとる企業を攻撃したAnonymousについて触れている。PandaLabsは2010年に出現した、“サイバー抗議”という言葉も用いて、新しい問題と呼んだ。その後、サイバー抗議が新たな局面を迎えて、さらに世界の注目を集める事態が発生した。チュニジアのベンアリ政権の崩壊における“活躍”だ。

●チュニジア政変で重要な役割
2010年末、北アフリカのチュニジア共和国でベンアリ大統領の退陣要求デモが始まった。その後、デモがチュニジア全土に拡大、激化する中で、1月14日に大統領は家族とともに国外に脱出。1987年から23年間にわたって続いたベンアリ政権は崩壊した。

今回の政変では、抗議活動を行っていた民衆の多くが、ブログやFacebook、ツイッター、YouTube、そしてWikiLeaksによって、デモ情報をはじめ、何が起こっているかについての情報を得ていたことや、ハクティビストが活躍したことが注目されている。ハクティビストはハクティビズムを行う人のことで、サイバー攻撃を用いて政治的なメッセージを世界に発信する。

チュニジア政変は12月17日に26歳の青年、Mohamed Bouaziziさんの自殺に端を発する。ベンアリ政権は特に反政府活動に対して厳しい検閲体制を強いていた。この状況を受け、ハクティビストらがチュニジア政府のWebサイトを攻撃。現地時間1月3日午後の時点で、大統領、首相、外務大臣、証券取引所をはじめ8件のWebサイトが影響を受けていた。

国民の不満を検閲で押さえ込もうとしたものの、政府側はハクティビストの攻撃に屈した形だ。同時に国民側でもインターネットを用いて情報を発信していった。攻撃が始まったのは2日の夜だったとされている。これは、3日に予定されていた全国ストに合わせたためだ。その結果、ストの情報もインターネットで明らかにされた。

●オンラインコミュニティの匿名集団がDoS
検閲の中で、インターネットは抗議活動を行う国民の最大限の情報源となってきた。15日付けの「LATimes」はSideBouzidをタグにしたYouTubeビデオは3,000件以上としている。Side BouzidはBouaziziさんが自殺した町で、多数のデモが行われた。同様にツイッターでもチュニジアに抗議するツイートが多数確認されている。「LATimes」によると、Facebookをはじめとするソーシャルメディアは、政府の反政府活動を展開するグループの間で主な戦場となったと書いている。

政府に抗議する人たちの情報発信を助けたハクティビストは、一部のセキュリティ企業が2011年の傾向予測で取り上げた、Anonymous だ。チュニジア政変での活動は、“チュニジア作戦”と名づけられていて、Anonymousが繰り広げてきたWikiLeaksに敵対する立場を取る政府や企業へ報復努力、“ペイバック作戦”の一部とされている。

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(バンクーバー新報 西川桂子)
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