広島県福山市の公募による「島田荘司選 ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」の第3回受賞作に、札幌市の経営コンサルタント一田和樹氏の「檻の中の少女」が選ばれた。同作は、コンピュータネットワークのトラブル解決専門家である主人公が、自殺支援サイトによって息子を奪われた両親の依頼で、自殺サイト「ミトラス」の謎を探るというストーリー。スパイウエアを使った攻防やソーシャルエンジニアリングを駆使した騙し合いなど緊迫した展開が続く中で、日本社会の抱える闇が浮き彫りにされてゆく。一田氏は、インターネット黎明期からコンピュータネットワーク産業に携わり、サイバーセキュリティ事業に深く関与した経験があり、実体験に裏打ちされた迫力のある内容となっている。受賞作「檻の中の少女」は2011年4月刊行予定。次回作は、SCADAシステムを狙ったサイバーテロを題材にしたハードボイルド小説を準備中という。福ミスhttp://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/bungakukan/fukumys/