特別企画:Scan初代編集長インタビュー(1)セキュリティ情報サービスの基本 | ScanNetSecurity[国内最大級のサイバーセキュリティ専門ポータルサイト]
2017.11.22(水)

特別企画:Scan初代編集長インタビュー(1)セキュリティ情報サービスの基本

特集 特集

本誌Scanの編集長に上野宣氏が新たに就任したということである。なるほどと記事を読んだが、はたと気がついた。

情報セキュリティ専門誌ScanNetSecurity編集長に上野宣が就任
https://www.netsecurity.ne.jp/1_14800.html

そういえば、これまで本誌には、編集長という肩書を持つ担当者は一度も存在しなかった。「新たに就任」という表現は、言い得て妙である。もともといなかったのだから、「交替」ではないわけだ。しかし、十年以上の歴史を持つ媒体に発刊以来編集長がいなかったというのもすごい話である。長らくこの媒体に寄稿させていただいている者として、上野氏の勇気を讃え、今後の活躍を願ってエールを送りたいと思う(ほんと)。

そこで今回は、編集長という肩書は無かったものの、Scan誌を創刊し、媒体運営方針を確立するなど強い影響を与えた、Scanの発行会社の元社長である、セキュリティ情報界の元祖武闘派 原隆志氏にメールインタビューを行った。テーマはずばり「セキュリティ情報サービスで儲ける方法」である。なお、このコラムは、氏へのインタビューに基づくフィクションであり、登場する人物、組織、固有名詞は全て架空のものです(ということにしておかないと差し障りがありますので)。なお、余談であるが、下記は変えるか削除した方がいいと思うのである。個人的には削除というよりも更新してほしい。こういうことを明示している媒体は、ほとんどないんで貴重である。

情報公開原則
http://ns-research.jp/c2/info_dis_pri.php


Prisoner Langley(以下Langley):
基本的なことからお話をうかがいたいのですが、セキュリティ情報サービス事業について、ざっと全体像を教えていただけますか?

原隆志氏(以下、原):
まず、申し上げておきたいのは、セキュリティ情報サービスというのは、B2Bサービスであり、いわばネット上の業界誌といえます。この点をご理解いただいておかないと、あとの話がわかりにくくなります。業界誌というのは、いくつかの点でコンシュマー向けと異なります。

(1)意味のある読み手の数が限られる
意味のあるというのは、商売になる、金になる、という意味です。B2Bですから主婦や学生、自宅警備のハッカー志望者に読んでもらっても意味がありません。B2Bセキュリティ製品の購買になんらかの関わりを持っている人が読者である必要があります。もうひとつ意味のある読者がいて、それはクライアントさんの候補です。広告を出稿してくれる担当者さんが読んでくれないとこれも困ります。

(2)クライアントを簡単にリストアップできる
コンシュマー向けでもクライアントのリストアップは可能ですが、業界誌のクライアントのリストアップは、それよりもはるかに簡単です。特にセキュリティ情報サービスのクライアントは限られています。

(3)リサーチが簡単で、ニーズを把握しやすい
読み手もクライアントも数が限られているのですから、そこに直接行けば、ニーズはすぐにわかります。企画をたてる際には、具体的な読み手、クライアントを想定して、直接訊くということが必須となります。必然的に、編集長はもっともクライアントにコンタクトし、ニーズをつかみ、内容に反映させなければなりません。そして、そのままその企画を売る営業マンにもなるわけです。

(4)読みたいではなく、読まなければならないもの
業界誌に必要なのは「読みたい」内容ではなく、「読まなければならない」内容です。一番いいのは、「知らなかったではすまない」内容です。たとえば、自分の会社のWebページが改ざんされていたことを担当者が知らなかったら「知らなかったではすまない」ではすまないでしょう? 脆弱性や新手の詐欺、危ないレンタルサーバやブログサービスも同様です。

(5)誤字脱字、デザインの優先度は低い
当然のことながら、内容が大事なので、誤字脱字などの文章の可読性や、デザイン等のクリエイティブの洗練度合の優先度は低いです。

(6)事業規模は小さい
現在の日本市場を考えると、セキュリティ情報サービスの事業規模は、ミニマムで年商五千万円、最大で五億円くらいでしょう。それくらいの小さな商売です。

(7)コストは少なく、リスクを抑えてはじめられる
事業規模が小さい代わりに、リスクも小さいです。まあ、手堅い商売というやつです。

Langley:
お話の途中で、申し訳ありません。ひとつ素朴な質問です。ネットサービスというと、最初は赤字覚悟で大量の利用者を集めて、それから収益を確立するというスタイルが一般的だと思います。業界誌の場合は違うということでしょうか?

原:
その通りです。B2B、業界誌の場合は、そもそも大量の利用者など存在しないのです。もし、何か勘違いして大量の利用者を集めようとすれば、意味のない利用者ばかりが集まってしまうでしょう。そうやって失敗したサービスはたくさんあります。たとえば…

※本記事は有料購読会員に全文を配信しました

(取材協力:原隆志/取材・文:Prisoner Langley)

【関連リンク】セキュリティコラムばかり書いているLANGLEYのブログ
http://netsecurity.blog77.fc2.com/
《ScanNetSecurity》

Scan PREMIUM 会員限定記事

もっと見る

Scan PREMIUM 会員限定記事特集をもっと見る

Scan BASIC 会員限定記事

もっと見る

Scan BASIC 会員限定記事特集をもっと見る

[Web小説] サイバー探偵 工藤伸治の事件簿サーガ (シーズン 1~6 第1話)

もっと見る

[Web小説] サイバー探偵 工藤伸治の事件簿サーガ (シーズン 1~6 第1話)特集をもっと見る

カテゴリ別新着記事

特集 カテゴリの人気記事 MONTHLY ランキング

  1. グローバルで活躍するプロフェッショナル - EYのサイバーセキュリティ部隊に仕事とキャリアを聞く

    グローバルで活躍するプロフェッショナル - EYのサイバーセキュリティ部隊に仕事とキャリアを聞く

  2. ここが変だよ日本のセキュリティ 第30回「ダメンズ・オーディット! 上場企業なら避けて通れない監査対応に監査感激!」

    ここが変だよ日本のセキュリティ 第30回「ダメンズ・オーディット! 上場企業なら避けて通れない監査対応に監査感激!」

  3. クラウドセキュリティ認証「ISO 27017」「ISO 27018」の違いとは? ~クラウドのよさを活かす認証コンサル LRM 社 幸松 哲也 社長に聞く

    クラウドセキュリティ認証「ISO 27017」「ISO 27018」の違いとは? ~クラウドのよさを活かす認証コンサル LRM 社 幸松 哲也 社長に聞く

  4. 工藤伸治のセキュリティ事件簿 シーズン 7 「アリバイの通信密室」 第8回 「はした金」

  5. [対談] 人工知能は重要経営課題となったサイバーリスクに対抗できるか

  6. 工藤伸治のセキュリティ事件簿 シーズン 7 「アリバイの通信密室」 第7回 「三人の容疑者」

  7. 工藤伸治のセキュリティ事件簿 シーズン 7 「アリバイの通信密室」 第9回「勤怠簿」

  8. マンガで実感 !! サイバーセキュリティ 第1話「静かなる目撃者」

  9. 工藤伸治のセキュリティ事件簿 シーズン 7 「アリバイの通信密室」 第1回 「プロローグ:身代金再び」

  10. 工藤伸治のセキュリティ事件簿 シーズン6 「誤算」 第1回「プロローグ:七月十日 夕方 犯人」

全カテゴリランキング

★★Scan PREMIUM 会員限定コンテンツにフルアクセスが可能となります★★
<b>★★Scan PREMIUM 会員限定コンテンツにフルアクセスが可能となります★★</b>

経営課題としてサイバーセキュリティに取り組む情報システム部門や、研究・開発・経営企画に携わる方へ向けた、創刊19年のセキュリティ情報サービス Scan PREMIUM を、貴社の事業リスク低減のためにご活用ください。

×