Internet Week 2009 特集 (5) 教養としての電子認証 | ScanNetSecurity
2024.03.29(金)

Internet Week 2009 特集 (5) 教養としての電子認証

 今年も11月24日から27日にかけて、社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)主催の「Internet Week 2009」が秋葉原で開催される。今回で13年目となるこのイベントでは、インターネットの基盤技術の基礎知識や最新動向を網羅的に学ぶことができる。

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 今年も11月24日から27日にかけて、社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)主催の「Internet Week 2009」が秋葉原で開催される。今回で13年目となるこのイベントでは、インターネットの基盤技術の基礎知識や最新動向を網羅的に学ぶことができる。

Internet Week 2009
https://internetweek.jp/

 このイベントの開催責任者である JPNIC の前村昌紀氏に見所となるポイントを聞く連載 5回目の今回は、2日目である 11月25日の午後に行われるプログラム「3時間でわかるこれからの電子認証」について語ってもらった。

─このプログラムを設けられた背景は何でしょうか?

 インターネットにおける電子認証技術というと、とにかく「難しいもの」と思い、SSL のサーバ証明書を入れておしまいと考えている方は少なくないと思います。しかし「インターネットを通じて実現している電子認証」いう視点で国内外の動向を見てみると、SSL/TLS の利用方法だけでなく、いくつかの大事な課題が見えてきます。

 そこで、これらの課題を乗り越え、適切に電子認証技術を使っていくための「知識と心得」、もっと言えば、最低限知っていて欲しい「教養としての電子認証」を学んでいただくことを目的にこのプログラムを用意しました。

─具体的にはどのような内容になるのでしょうか?

 まずはじめに、国内外の動向をおさらいし基本的な知識を共有します。次に電子認証技術を利用する上での課題と、その解決に取り組むいくつかの国内の動きを見ていきます。

─プログラム対象者はどのような方たちでしょうか?

 特に限定はしていません。電子認証に関心のある方であればどなたでもご参加いただけます。ただ、できれば「電子認証は難しい」と考えて、これまで敬遠してきた方にこそ、この機会に、参加いただきたいと考えています。

─最後に、読者にメッセージをお願いします。

 手続きの面倒さなどから日本では電子認証がなかなか普及するに至っていませんが、海外ではうまく行っている例が数多くあります。まず「電子認証は難しい」という先入観を捨てていただくとともに、もう少しの工夫さえあれば、日本でも同じように普及が期待できるということ、またそのための国内の動きを知っていただきたいと思います。

■3時間でわかるこれからの電子認証 プログラムアジェンダ

開催日時: 2009年11月25日(水) 14:00-17:00
場所: 秋葉原コンベンションホール https://internetweek.jp/access/
料金: 事前料金 6,000 当日料金 8,000
URL: https://internetweek.jp/program/h9/

セッション1: テーマ「電子認証にかかわる国内外の動向」(14:00-15:30)

(1) SSL サーバー証明書の動向

講演時間: 14:05-14:30(25分)
講演者: 日本電子認証協議会(JCAF) 秋山卓司氏
講演概要: EV SSL を含む SSL サーバー証明書の現状と課題について紹介します。

(2) 暗号アルゴリズムの動向

講演時間: 14:35-15:00(25分)
講演者: 情報通信研究機構(CRYPTREC事務局) 黒川貴司氏
講演概要: 電子認証技術にかかわる暗号アルゴリズムの動向とCRYPTREC の活動状況を紹介します。

(3) 海外における電子認証の動向

講演時間: 15:05-15:30(25分)
講演者: セコム株式会社 松本泰氏
講演概要: 電子政府の先進国各国の事例を紹介し、行政の効率化やサービス利用者中心の行政システムを支える PKI に向けた課題を示します。

セッション2: テーマ「運用の現状と課題」(15:30-17:00)

(4) TLS/SSL の暗号利用に関する現状と課題

講演時間: 15:35-16:00(25分)
講演者: NTT情報流通プラットフォーム研究所・IPA情報セキュリティセンター 神田雅透氏
講演概要: https で使われる暗号アルゴリズムは、その設定によって運用者の意図通りになっていないことがあります。本発表では、国内 Web サーバの調査結果を踏まえて今後の課題と対策を示します。

(5) 全国の大学をつなぐ認証基盤「UPKI」

講演時間: 16:05-16:30(25分)
講演者: 国立情報学研究所 学術ネットワーク研究開発センター 島岡政基氏
講演概要: UPKI 事業の一環で取り組んできたサーバ証明書プロジェクトや学術認証フェデレーションを踏まえて、全国の大学をつなぐための課題と今後の方向性を概観します。

(6) 我が国における電子署名認証基盤のあり方

講演時間: 16:35-17:00(25分)
講演者: 東京工科大学 手塚悟氏
講演概要: 我が国には現在、官の電子署名認証基盤と民の電子署名認証基盤が存在します。社会基盤として、官民それぞれの基盤がどのように関連していくのが良いかを検討します。


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【関連リンク】
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https://internetweek.jp/
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